先日新築の現場で器具付けをしてた時に、どうしても床下の配管を確認したい場面がありました。そこで床の点検口から確認しようとしたのですが・・・いくら引っ張っても開かないのです(汗)
あまりに強く取っ手を引くと壊れてしまうため、ガラスを運ぶような吸盤を持ち出して来て引っ張ったりしましたが、微動だにしません。(自慢じゃありませんがわたくし筋トレが趣味なので力はある方です)ちょうどこんな下の写真のような点検口ですが、その時のものはちょっと特殊でアルミなどでできた受けの枠がなく、床板がそのままはめ込んであるような形状でした。
出典:株式会社カネシン
まさか大工さん、接着したのか!?と言うわけで、すぐさま大工さんを呼んで開けてもらうことにしました。
大工さんがとった方法
すぐに来てくれた大工さん、どんな方法を使って開けるのか興味津々で見ていると?何やらビデオテープくらいの木と玄翁を持って来て、点検口の廻りに当てがいながらトントンと叩き出しました。
するとどうでしょう、あれだけ開かなかったのが嘘のようにすんなりと開いてしまったのです!大工さんに言わせればそんなことはよくあるそうで、いわゆる“くってしまう”というやつとのことでした。
実は配管時も同じようなことが
この「くってしまう」という現象、よくよく考えると配管している時にも結構遭遇します。例えば、インパクトのがビットが抜けなくなってしまったり、ボックスレンチがナットから取れなくなってしまったり、パイレンが角ニップルやバルブから取れなくなってしまったりします。そんな時はやはりくってしまったところをカンカン叩いてあげると取れることが多いものです。
他にもこの叩くという行為が有効なケースは結構あります。古いねじ込みを外す際にトーチで炙りながらハンマーで叩いたり、のり付けの入りが悪い時にちょっとハンマーで叩くなんてこともあります。もちろん最初に挙げた例の場合もちょっと叩いてあげれば取れる(外れる)ことがほとんどです。
叩く際の注意点
さて、ここまで色々と「叩く」ということをお伝えして来ましたが、叩く際にはやはり注意しなければならない点があります。
☑️あて木をする
大工さんのケースと同様に基本的には玄翁(ハンマー)で直接叩くのはNGです。つまり、あて木をすることで割れたり傷付いたりすることを防ぐのです。直接叩いていいのは撤去する配管くらいのものです。
☑️適当な手工具などで叩かない
ちょっとビットが取れなくなってしまった時などに、玄翁がすぐ手元にないので持っていた手工具で叩いてしまうということが結構あります。軽〜く数回叩く程度なら良いのですが、力強く何回も叩いてしまうと手工具の動作に異常をきたし、最悪壊れて使い物にならなくなることもあります。ですから、面倒でもとにかく出来るだけ玄翁やハンマーで叩くよう心がけましょう。
☑️叩く場所をよく考える
力加減などは感覚的に分かると思いますが、どこを叩くかというのは重要なポイントです。ビットが取れない時にビット側をカンカン叩いたら軸が折れてしまうかもしれませんし、大工さんのケースでも点検口本体ではなく周囲を叩くのがミソだったようです。焦って闇雲に叩いてしまうと思わぬ道具や継手の破損につながりますので、その点は冷静に考えられるようにしたいですね。
ということで、今回は点検口がくってしまった時の大工さんの知恵から発展して、配管時に遭遇する「叩く」という点についてまとめてみました。このような点は特にマニュアルがあるわけでもなく、経験の中で蓄積していくしかないです。そういった経験をすぐに忘れてしまわずに、更には自分なりに噛み砕いて応用していけるのがベストです。少なくとも、へぇ〜で終わらせるのではなくメモしておいて帰ってからもう一度思い出すだけでも良いかと思います。より快適に作業をしていくために、こういったちょっとした知恵を積み重ねていけると良いですね。
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