4つの事例で解説 水糸が最強ツールになる理由とは?

外部の雨水竪管など、露出のぶん伸ばし配管をやる時に、どうやって“まっすぐ”配管するでしょうか?

距離が短ければ、単に水平器を当てて配管したり、長めの垂木を使って墨を出したりすることが有効でしょう。けれどもし3階分やそれ以上の距離になれば、継手も増えますしまっすぐ配管するのが難しくなってきます。

そのような時に思いつく手段といえば、「水糸を張る(下げ振りを垂らす)」ことです。水糸を張っておけば、引っ掛けられたりちょん切られたりでもしない限りは、かなりの高精度で作業が可能です。

そこで今回は、水糸を配管に活かす4つの方法をご紹介します。具体的には次の4つです。

  1. 天井配管で複数の立ち上げ箇所に下げ振りを下げる
  2. 距離が長い竪管の垂直を確保する(スリーブの通りを確認する)
  3. メーターボックスを仕上がり面と合わせる
  4. 外部横引き配管の支持金物(ブラケットなど)を大量に取付ける

ではそれぞれ詳しく見ていきたいと思います。

1.天井配管で複数の立ち上げ箇所に下げ振りを下げる

下げ振りは、どんなに躯体が傾いていようと、下げる場所がゴミゴミしていようと、とても原始的な仕組みで完璧な垂直を示してくれます。今後どんなに優れた道具ができても、下げ振りに取って代わることはないでしょう。

ここで言う「原始的な仕組み」とは、今回のテーマである水糸に以下のような振り錐(重り)がついていることです。

1-1 自分で下げ振りを作る

この下げ振り、しっかりとした振り錐や巻き取りが付いた製品(上写真)も売っていますが、長さが限られているのと、たくさん必要な場合に対応できないことから、独自に作る方がお勧めです。

つまり、水糸を適当な長さで必要な分だけ切って、その先に重りを付けていくのです。付けるものは振り錐でもいいですが、たくさん作ることも考慮して、1番お勧めなのは3分のナットです。程よい重さですし、ちょうど穴も空いているので水糸が結びやすいです。どの現場でも大量に使っていることが多いですから、調達しやすいかと思います。

逆側には、適度に切ったアングル(ハヤウマ)や垂木を結ぶのが適しています。コツとしては、サンダーなどでちょっと切り込みを入れてあげると、水糸が引っかかっって下げる時に安定します。

1-2 たくさん使いたい場面と使い方

では下げ振りがたくさん欲しい時とは? それは天井配管の立ち上げ位置を把握したい時です。天井配管の排水は、単独1箇所拾うのではなく、複数箇所の排水をまとめて拾うのが普通です。つまり、配管時の立ち上げ箇所がその数分あり、それぞれ一気に下げ振りを下げることによって、位置の把握や寸法取りが格段にしやすくなるのです。

使い方としては、まず上階で立ち上げたい芯に墨を出した方が無難です。なぜなら、必ずしも立ち上げたい芯とスリーブ芯が同じとは限らないからです。墨を出してから下げ振りを下げることで、正確な位置での立ち上げができ、スリーブの傾きなどを知ることもできます

そして関連する立ち上げ箇所は全て下げ、誰かに蹴飛ばされないようにスリーブのフタを乗せておくなど、できるだけ分かりやすくしておきます。それでも必ずいくつかは蹴飛ばされますので、休憩明けなどに再度チェックした方が良いでしょう。

2.距離が長い竪管の垂直を確保する(スリーブの通りを確認する)

冒頭の例のような外部竪管のぶん伸ばしや、複数階を貫く内部竪管では、水糸がかなり有効に活用できます。私の経験上、よほどの強風でもなければ、15m(3フロア分)くらいは安定して下げられます。

2-1 外部竪管

外部の雨水竪管などで1番重要なのは「見た目」です。もちろん漏水しないのは最低限として、外部の配管は万人の目に触れるため、継手で折れていたり傾いたりしていたら、格好も悪いですし、何だよあの配管曲がってんじゃん!と言われ評価も悪くなります。特に3フロア以上伸びている竪管は少しの折れでもかなり目立ちます。

ですが、残念なことに配管時は足場がかかっているため、施工時は外から見て確認することはできません。そこで必要になってくるのが、水糸による芯出し(支持金物取り付け)です。

竪管の位置に合わせて下げ振りを下げ、支持金物の墨を出して行くわけです。まっすぐな配管をするには、支持金物が正確に取り付けられていることが大前提ですから、この辺りはかなりシビアに行った方が良いです。

2-2 内部竪管

複数の階を貫く竪管で重要なのは、各階のスリーブが通っているかです。確認には躯体面や地墨などから測っても良いのでですが、躯体の精度が悪かったり測る基準となる対象がなかったりします。そんな時は基準とするスリーブの芯から下げ振りを下げることで(できれば何階か貫くように下げる)、各階で通りを確認できます。

3.メーターボックスを仕上がり面と合わせる

外部に埋設されるメーターボックスやバルブボックス(バルブハット)などは、蓋のつらと仕上がり面を一致させなければなりません。つらを合わせる方法としては、長めの木などを使用しても良いですし、ここでもやはり水糸が有効です。

なぜならボックス関係は、エントランスや駐車場などの外部に設置されることが多く、勾配が付いていたり施工時に地面がガチャガチャだったりするからです。

やり方としては、仕上がり面に合わせて(50㎜上がりなどでも良い)水糸を張り、それを基準としてボックスを設置していくのです。水糸を張る際には、両サイドにクギを打って結ぶのが一般的で、クギがなければブロックでもパイレンでも、何か重たい物に結んでも良いかと思います。養生テープが貼れればそれでも構いません。つまりは、水糸が動かないようにピンと張れれば大丈夫です。

1点だけ注意することは、「必ず仕上がりに合わせて水糸を張ること」です。これは実に当たり前すぎることなのですが、配管工にとっては難しい場合もあるのです。

例えば、新築で土間が仕上がっていない状態(1段下がっている)で、かつ仕上がりに勾配がつく場合です。そんな時は無理に自分でやって間違ったら最悪なので、左官屋さんが伸縮目地を入れた段階でやるとか、左官屋さんにお願いして水糸を貼ってもらうなどの対応が必要になるでしょう。

4.外部横引き配管の支持金物(ブラケットなど)を大量に取付ける

横に長い建物で、外部に横引き配管が通るような場合には、かなりの数の支持金物(ブラケットやL型アングルなど)を決まった間隔で取付けていくことがあります。

この時に1番面倒なのは「レベルを合わせること」です。つまり、実際にブラケットで配管を支持した時に、水平(排水勾配)が確保できるように一つ一つのレベルを合わせて取付けしていかなければならないのです。

ここで登場するのが水糸です。10mくらいを目安に水糸を水平に張りそれを基準にします。水糸を張る時だけは、レベルを正確に合わせる必要がありますが、ブラケット一つ一つを合わせるよりははるかに楽です。注意点としては、ブラケットの天端より上を基準にしないと、取付けの際にせっかくの水糸が邪魔になってしまうということです。

今回のまとめノート?

水糸をうまく活かすことで、見た目にも綺麗で精度の高い配管が可能となります。水糸が最も有効に使える場面は以下の3つ。

  1. 天井配管で複数の立ち上げ箇所に下げ振りを下げる
  2. 距離が長い竪管の垂直を確保する(スリーブの通りを確認する)
  3. メーターボックスを仕上がり面と合わせる
  4. 外部横引き配管の支持金物(ブラケットなど)を大量に取付ける

水糸自体は安価なものですし、先に結んでぶら下げるものやクギなども現場で簡単に手に入ります。もし欲しい時に手元になかったとしても、大工さんや監督に聞いてみれば、持っているかもしれません。

できる限り効率的な配管方法を考えるのは基本ですから、気付いたらどんどん使っていきましょう。

では良い配管工ライフを!

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2 件のコメント

  • こんばんは!水糸は使えますよね~1番に関してはいつも全ネジに水糸とナットで配管してます。量があると加工も捨てるのも面倒なので(笑)
    ブラケット付けで水糸かなり良いですね!参考になりました!

    • マリオさん、コメントありがとうございます。
      さすがです!  身近にあるものを使って作るのが1番だと思います。
      加工や捨てるのにすごい時間がかかってしまっては、逆に非効率ですもんね。
      私ももっと良い使い方がないか、今後も模索していきます。

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