配管には正解がない!?なんていきなり言われてしまうと訳がわからないと思います。もちろん施工手順や道具の使い方などにはルール(正解)があります。ですが今回お伝えしたいのは、配管をしていくうえでのルート選定や順序、ちょっとした気遣いなど個人による考え方の差が出る部分についてです。例えば新築現場での天井配管一つ取っても、天井に墨を出しながら配管するのか、地面にきっちりと墨を出してから加工まで一気にやってしまうのかなど、色々なやり方があります。この記事ではその中でも、配管時のちょっとした気遣いについてまとめてみたいと思います。
配管の表示
まずよく意見が分かれることの1つに「配管の表示」があります。これは配管に印字されているメーカ名や規格を見せるのか見せないのかということです。
該当する配管の種類としては、塩ビ管による排水配管(耐火二層管の皮を含む)や、保温をしない露出のサス配管(薄肉)などですね。
私としては印字を見えない方向に向けた方が綺麗だと思いますが、監督さんによっては印字を見える方に向けるよう指示されるケースもあります。
マーキング
のり付けなどのマーキングのやり方も意見が分かれるところです。元々飲み込みを確認するためのものですから、しっかりと飲み込めばなんでも良いような気がしますが、現場でルールが決められているならそれに従う必要があります。具体的には以下の記事から確認できます。
ヘルメとシール
ねじ込み配管や器具付けの際にヘルメとシールが論争を呼ぶことがあります。ねじ込み配管に関しては、漏れた時にメーカの保証が効かない(?)との理由からシールテープを使えない現場(使いたがらない人)があります。シールテープを使わないとねじ込みにくいだけでなく、時間を置くと外すのが困難になります。なので漏れた時に直すのがキツい!(泣)ですので個人的にはシールテープありをお勧めします。
また、器具付けの時には間違いなくシールテープを使うと思いますが、この時に止水栓などからはみ出したシールテープを綺麗に取り除くかどうかも意見の分かれるところです。というより、時間に余裕があるならやるべきと言った方が良いかもしれません。私の経験上ですと、これまでの器具付けの中でそこまでやったのは数回程度です。
ねじ込みの掛け声
ねじ込み配管は、継手がすぐ近くにあって自分で見える範囲内であれば、意図する位置でねじ込みを止めることができます。
しかし実際の現場では、継手がすごく離れていたり壁をまたいでいて見えなかったりしますよね。
そこで、2人で声を掛け合いながらのねじ込みが必要になってくるわけです。
具体的には2人で事前に合図を決めておけば何でも良いのですが、参考までに私たちが使っている合図をご紹介しておきます。
基本的に「まだ」と「もーちょい」を使い、適宜角度を伝える合図です。
例えば、何周かした後にそろそろだなと思ったら「あと90度」などと伝えます。そして余裕があるうちは「まだまだ」と声がけし、狙う角度に近づいたらそれっぽく「もーちょいちょい・・・」という風な感じ。
とにかく急に止めろと言われても惰性で回し続けてしまいますから、できるだけ緩め方向の“戻し”にならないようにします。
自動車教習所に通ったことのある方なら憶えているかもしれませんが、車の運転中に止まりたいと思ってからブレーキを踏むまでに1秒かかるそうです。ねじ込みもそれと同じですかね。笑
まとめ
今回取り上げた内容以外にも、配管時に気遣いが必要な部分や意見が分かれる事はたくさんあります。ただ、確かに正解は無いのかもしれませんが、「現場ごとのルール」は存在します。経験が増えるとどうしても自分の中で確立された方法を推したくなりますが、そこは現場のルールに従うのが筋です。正解を追い求めず柔軟な姿勢で配管できるようになるのがベストではないでしょうか。
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