内部コーン打ち込み式アンカー、通称ショートアンカーを打つ際にいつも重宝している「一石二丁」という製品があります。
これは、まずキリでキリが入るところまで穴を開け(出っ張りまで入れれば丁度いい深さになる)、その後アンカーを穴にセットして打ち込み部分をキリに被せて打ち込むものです。穿孔深さを気にする必要がなく、ビットを挿し変えなくてよいので、連続で打つ際など非常に便利です。
一石二丁が使えないケースでは?
しかしながら、この製品にも欠点はあります。それは、断熱材(ウレタン・スタイロフォームなど)の施工された躯体面には使用できないという事です。キリの出っ張りが躯体面に達することで穿孔深さを確保するわけですから、その手前に邪魔ものがあるとまずいのです。
薄くウレタンが吹いてあるくらいであれば、強引に躯体面まで穿孔出来ますが、デッキ越しにスタイロフォームが施工されているようなケースではらちが明きません。
そこで、必要になってくるのが100㎜程度の長さのビットと、自作の打ち込み棒です。ビットの方は問題ないかと思いますが、なぜ打ち込み棒を自作しなければならないのか?
それは、市販の打ち込み棒ではアンカーまで届かないケースがほとんどなのと、自作すれば好みの長さで作成する事が出来るからです。(市販の打ち込み棒は、ハンマードリルに付けるもの・手で打ち込むもののいずれも、打ち込み部の長さは30~40㎜程度です)
作り方(3分)
自作の打ち込み棒の作り方は、非常に簡単です。必要な材料は3分の全ねじ、加工用に高速カッターかサンダーを用意します。手順としては以下になります。
- 全ねじを好みの長さに切る
※手で握ってハンマーで叩き易い長さということです。 - 先端を丁度ねじがなくなる程度まで削る
※30㎜程度でOK
これだけです。3分の全ねじの、ねじがなくなるまで削れば丁度打ち込みに適した細さになります。全ねじは穿孔径よりも少し細いので、デッキやスタイロフォームがあっても関係ありません。
自作の道具と呼ぶにはあまりにもちんけなものかもしれませんが、実際の現場ではものすごく役立ちますし、デッキ越しの場合にはないと話になりません。なかなかデッキ越しにスタイロフォームが仕込まれた躯体を見た事がないという方もいるかもしれませんが、大規模な新築現場のピット階や免震階などは湿気を防ぐために仕込まれているケースが多いです。
もし上記のようなケースに遭遇した際には、ぜひ思い出して頂けるとありがたいです。
⇒アンカー打ち失敗時の対応
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