管の種類に関わらず、管を切断する際には罫書きなど、何らかの印が必要です。管が正確な寸法で切れさえすれば特に決まったルールはなく、そのやり方は人それぞれです。しかし、それがゆえにちょっとした工夫で格段に効率アップするのも事実です。そこで今回は、そんな管を切断するための工夫をいくつかご紹介します。
左手で右から左にスケール(右で字を書く人)
これは基本中の基本です。スケールのツメを管の端に引っ掛けてラベルを伸ばし、目標の長さに罫書く事がよくあります。その際に、右利きの人はついつい右手でスケールを伸ばしたくなりますが、そうすると罫書く手が左手になるため、よほど器用でない限りは線が曲がったりずれたりしてしまいます。
そこで、左手でスケールのツメを簡単に引っ掛けて右から左にラベルを伸ばし、右手で罫書くスタイルにするとスムーズで正確な罫書きが可能です。
日頃から「管の端にスケールを引っ掛ける時は左手」という事を意識しておくと良いでしょう。
芯引きを切る
寸法取りに際しては、切寸よりも芯芯や芯先が多くなりますから、芯引きをした寸法で罫書く事になります。その際に芯引きをした数字を計算してからスケールを当てるよりも良い(と思われる)方法があります。それが芯引きを切った形でスケールを当てがう方法です。
例えば、芯引きが30㎜であれば、以下の写真のようにスケールを当てて芯芯(芯先)寸法の位置に罫書きを行います。
取った寸法や芯引きは必ずしもキリの良い数字ではありませんから、よほど計算が得意でなければ何かしらの計算ミスをする可能性が高いです。ましてや忙しい現場ならなおさらですから、この方法は計算をする必要がない分、スピードと正確性に勝ります。
ただし、この方法には以下の欠点がありますから、わきまえておきましょう。
- スケールを押さえる長さに限界がある
いくら両手をうまく使っても、芯引きを切って正確に罫書くには長くても1m程度が限界でしょう。 - 複雑な芯引きへの対応には無理がある
芯芯寸法で片方がY、もう一方がLLなどのケースでは、そもそも芯引きの数字を計算する必要が出てきてしまいますから、そのような場合には紙に書いたり電卓を使用して計算した方が良いと思います。
爪で押さえる
この方法は細物のビニル管・ポリ管・全ねじなどに対応するものです。これらに共通しているのは「〇〇カッター」と呼ばれる工具で簡単に切断が出来る点です。つまり、わざわざ罫書がなくても、寸法を爪で押さえておきそこに刃を当てがって切るというワザが可能なわけです。
※大きい声では言えませんが、この方法は手袋を着けられませんので、手を切らないよう十分に注意してください。
ヤトイを切るとき
ヤトイ管には正確な長さは必要ありません。そこで、ある程度自分の手を広げた時の長さを把握しておき、それを基準にして管を切る方法が考えられます。例えば小指と親指を広げた幅(イラスト)が大体200㎜などです。この方法を使えば500㎜程度までのヤトイなら即座に切る事が可能になります。
以上が管の切断までの時間を速くするための工夫になりますので、参考にして頂けるとありがたいです。
⇒寸法取りの基本
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