【突貫工事】品質・費用・手抜きよりずっと怖い最大の問題点とは!?

「突貫工事」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

中には「そんなの毎回だよ!」なんて職人の方もいるかもしれませんね。汗

 

突貫工事とはその名の通り、通常より短期間で一気に仕上げる工事のことですが、実際の現場はと言うと想像以上に慌しくバタついています。

もし運悪くそんな現場に当たってしまったら、まず1番に確実に気を付けたい事があります。

 

それは品質や費用面、手抜き工事よりずっと怖い最大の問題点。それは何か?

この記事で詳しくお伝えします。

突貫工事とは?

突貫工事とは、短い工期で一気に完成させる工事のこと。

後期が短くなってしまう理由は様々で、もともと短い場合もあれば、結果として短くなってしまう場合もあります。

 

例えば、現場で大きな事故やクレームなどが発生し、工事が一時的に中断してしまえば、その分後の工期は圧迫されてしまいます。

または、必要に迫られて最初からタイトな工期となるケースも。

 

最近ではオリンピック開催に間に合わせるための工事や、コロナウイルスの流行による中国での医療施設建設などがあげられますね。

実際の現場では数多くの職人が所狭しと作業したり、24時間体制でフル稼働したりと非常に過酷な状況になりますから、いつも以上にしっかりとした管理を行い、作業は十分に注意する必要があります。

突貫工事で何よりも怖い最大の問題点

突貫工事で何よりも怖いこと、それはズバリ『怪我』です。

もちろんスピード重視の施工による漏水事故や他職種の職人さんとのトラブルなど、スムーズな現場では考えられないような事もたくさん起こります。

 

ですが何よりも怖い、そして注意しなければならないのが怪我。

その程度が大きければ、その後職人として仕事ができなくなってしまうばかりか、会社間や職人間の信頼関係にヒビが入りかねません。(小さい怪我なら良いわけではありませんが。)

 

怪我というものはもちろん本人が1番大変ですが、最悪の場合は現場が止まってしまい全体に影響が出てしまうことも。

更には、煩わしい事務仕事も増え会社として業務が止まってしまう可能性があることもわきまえておきましょう。

 

とにかく、怪我をして何ひとつ良いことはありません!



突貫工事による怪我の原因と対策

突貫工事で怪我が起こりやすいのは何となく分かるのではないでしょうか。

その原因として大きいのが「焦り」と「煽り」そして「疲れ」。1つずつ見ていきましょう。

 

行程がきついことによる「焦り」

まず焦りは1番分かりやすいと思います。今日中に◯◯階の天井配管を終わらせなければならない、シャフトから逃げなければならないなどはよくあることで、突貫工事ではそのノルマがえげつない量というのもしばしば

しかも作業場所はめちゃくちゃ錯綜しているのです。

 

過度の焦り状態が続くことは手元が狂うばかりか心身に悪影響ですから、時には良い意味で逃げ出す(できないものはできないとはっきり言う)勇気も必要です。

しかし適度な焦りは時に集中力を高めてくれますから、うまく利用できれば逆に安全作業ができるかもしれません。いわゆる”制限時間効果”というやつ。

 

感覚としては“ちょっと頑張らなきゃなぁ”と感じる程度ですかね。それ以上だと焦ってしまいますので。

早歩きになってつまずいたり寸法を頻繁に間違えたりするようなら、焦りすぎだと思って一呼吸置いた方が良いかもしれません。

 

他職種や監督からの「煽り」

次に煽りですが、これは1番たちが悪いです

要は次に作業を控えている大工さんなどがいつ終わるのかなどを頻繁に聞いてきたり、場合によってはフライングで作業を始められてしまい、場所を取られたりしてしまうのです。

 

そんな時はイライラして喧嘩腰に文句を言うのではなく、逆に突貫工事の辛さを共有しフレンドリーになってしまった方が得策です。

大工さんも工程に追われて焦っているということ。ムカついでも低姿勢で話せば逆に協力的になってくれることが殆どです。

 

それから監督さん(設備)は本来、私たち職人の味方となって建築の監督さんや他職種の職人さんと最大限掛け合ってくれるもの。

これは断言しますが、もし他に良い顔ばかりしてこちらに無理難題ばかり言ってくる監督さんなら、その現場とは即刻おさらばするのが身のためです。(そんな監督さん、そうはいませんけどね。)

 

残業や作業環境の悪さによる「疲れ」

そして実際に怪我の直接的な原因となってくるのが疲れです。

突貫工事の場合には残業が続くこともしばしばですから、どんなに体に気を使っていても疲れが溜まります。

 

力自慢の職人でも24時間動き続けることは不可能ですし、疲れていれば当然手元が鈍るもの。

この対策としては1人当たりの作業時間を制限するしかありません。つまり、夜間作業を含めた交代制としたり、休日作業や日取りを決めた集中的な作業美を設けたりと、人数を掛けるわけです。

 

ただしひとつだけ気をつけなければならないのは、”信頼出来る職人さん”を増員するということ。

責任感のない“応援で来てあげてる”気分の職人では逆に出戻りや漏水事故が発生する可能性がありますから。

 

ここ最近の現場では、朝礼時にも疲れに関しては毎日チェックしますし、休憩時間や適切な休みが確保できているかのアンケートなども実施されるなどしていて、労働環境にだいぶ敏感になってきているようです。

それで踏ん張らなきゃならない時もあるでしょうから、自分の体と相談しながら作業することは忘れないようにしましょう。



やっぱり物を言うのは人間関係

私もこれまでの職人人生の中で、何度も突貫工事のような現場を経験しました。

その時は休み時間にちょっと目を閉じようものなら寝てしまうくらい疲れ果ているのに、いざ家で眠ろうとすると現場のことが頭の中を駆け巡り全く熟睡できないような最悪の日々が続いたのを憶えています。

 

しかしそんな時でも救いだったのは辛さを共有できる良き仲間がいたことと、私たちの愚痴を真剣に聞いてくれる監督がいたこと。

もし周囲の人達との関係が悪かったら絶対に乗り越えることは出来ませんでした。

 

厳しい現場でも人間関係が良ければ辛さの中にも楽しさを見付けられますし、乗り越えた時の達成感も大きくなりますよね。

もちろんその方が怪我をする可能性も低くなります。

 

結局のところ最後にものを言うのは人間関係ですから、一緒に仕事をすることの多い監督や職人さんとは、常日頃から出来る限り良好な関係を築いていくことも大切ですね。

今回のまとめノート

突貫工事はある程度職人経験が長い方なら誰しも経験していると思います。

行程的なキツさや職人同士のトラブルなどで品質の低下や漏水事故などが起こってしまう可能性も高まります。

 

ただ、それよりも怖い最大の問題点は、焦り・煽り・疲れが原因となる怪我が多いこと。

それをできる限り無くすには、やはり監督さんや他職種の職人さんなどとの円滑なコミュニケーションが必須。

 

行程に追われる状況で全く焦らないというのは無理かもしれませんが、そんな時だからこそ密に連絡をし合い積極的に話をすというのを忘れないようにしたいですね。

では、良い配管工ライフを!

 

Twitterでもコアな情報発信しています。フォローしてもらえると泣いて喜びます!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です