バンドソー・高速カッター・サンダー・塩ビカッター・シャーパー(パイプソー)など塩ビ管を切断できる道具はたくさんあります。ただ、何を使うのかは状況によって判断し、適切な使い方や養生をしなければなりません。細物(20A・25Aなど)を切るのにバンドソーを用意するのはナンセンスですし、多くを切断するのであれば塩ビカッターやシャーパーだけではとてもやりきれません。そこで今回は現場に合わせた切断工具を選択するための材料となりそうな点をまとめてみたいと思います。
本数と径で考えてみる
まず単純に加工する本数と管径からどの工具が良いかと考えてみますと、以下のようになりました。
ここで高速カッターとサンダーが括弧になっているのは、本来は塩ビ管を切るのに使用が良しとされていないためですが、現場ではそんなことも言ってられませんので一応分けてあります。それぞれの道具自体にも種類があるため何とも言えませんが、やはり切るのに手間が掛かる道具ほど切れる本数や径に限界があると思います。
現場の状況で考えてみる
加工の本数や径を含め最も考えるべきなのが、現場の状況に合わせて切断工具を選択するということです。状況とは、加工場(加工スペース)の広さ・加工した材料を置くスペースの広さ・音出しの可否・養生の可否などになります。
☑️加工場
配管の種類を問わず加工場がなければ何も始まりません。十分なスペースや電源が確保出来なければバンドソーや高速カッターを使うのは難しくなります。また、養生もポイントです。例えば塩ビカッターは太物を切断することはできませんが、切粉が出ないというのは大きなメリットです。つまりそこまで養生を必要としないということになります。逆にシャーパーやバンドソーは切粉が出ますし、高速カッター・サンダーにおいては高温の細かい切粉が勢い良く飛びますからそれなりの養生を必要とします。加工時間には当然養生の時間を含みますので、養生にすごい時間を要してしまうような場所ならば、むしろ手で切った方が早いなんてこともありえます。
☑️音出し
特に改修工事でよくあるのが音出しの問題です。もし音出しNGなら基本的に電動工具は使えませんから、シャーパーや塩ビカッターでの加工を余儀なくされてしまいます。全く音出しが出来ない現場はほぼありませんが、もしそうなったら現場以外の場所(倉庫など)でまとめて加工して持ってくるなどの処置も考えておく必要があります。
☑️道具のメンテや気温など
特に電動工具の話しですが、日頃からメンテナンスをしっかりやっておかないと、いざという時に使い物にならないこともあります。例えばコードが断線しかかっていたり斜めに切れてしまったりするようでは、逆にその修正時間の方が多くなってしまいます。また、冬の寒い時期に塩ビカッターを使用すると、配管が切れずに割れることが多いです。こう言った細かな点も日頃から頭に入れておけると良いですね。
このように切断工具一つとっても色々な選択肢があり、その選択が作業全体の効率に関わってくることもありますから、最初の段階でよく考えて最適な工具を選べるようにしたいですね。欲を言えば、形になるまではあらゆる可能性を想定して複数の工具を用意しておきたいところですが、よほど大きな現場でない限りそこまでする必要はないかと思います。
★オススメの切断用手工具
塩ビカッターで言えばやはりMCC製のものは信頼できます。配管工具を多く作っているメーカーですから、値段は高いですが使い勝手や強度は信頼できます。
シャーパーで最もお世話になるのはパイプソーです。値段も安く良く切れる上に木も切断できますから持っておいでも絶対に損はしません。しかも替刃がこれまた超安いです。石膏ボードや耐火二層管の皮を切ったりすると極度に切れ味が悪くなりますので注意しましょう。
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