マンションの改修工事で用意しておきたいパッキン完全攻略!

配管工ならよく扱うパッキンですが、改修工事となるとその頻度や種類が大幅にアップします。

その理由の1つは、配管の改修工事を行う建物というのは、かなりの築年数を経た大規模修繕としてのケースがほとんどであること。もう1つは、戸数として少なくとも数件、場合によっては数百件が対象となり、どうしても不具合のある配管や器具に当たる確率が高くなることです。器具の脱着がある工事ならなおさらです。

ということは、ある程度規模のある改修工事を行う際には、必要となりそうな消耗品類を事前に用意しておいた方が無難です。今回はその中でも特に消耗の多い「パッキン」についてまとめておきたいと思います。

このページにある内容を確認しておけば、「あのパッキンがない! 用意しておけば良かった・・・」なんてことはなくなると思いますので、ぜひ確認してください。

各器具で共通のもの

ここではまず、器具によらず共通しているものについて説明します。ほとんどの器具で使われているものといえば、「止水栓」です。そしてその止水栓との接続で多いのが、フレキやホースです。

 

13㎜の平パッキン(フレキパッキン)

フレキの接続部分に使用する、最もオーソドックスなパッキンです。ゴム製と紙製があります。交換の際には古いパッキンを完全に取り除かないと漏れますから、注意しましょう。

ゴムタイプ

シートタイプ

 

三角パッキン

グランド部分に当たるパッキンです。見た目が山形なので、三角パッキンと呼ばれています。

ワッシャーとセットで売っていることが多いですが、パッキンだけ交換すれば大丈夫です。

 

コマパッキン

開閉を行なっているコマと呼ばれる部分のパッキンです。グランド部分を緩めて外すと、内部に入っています。

トイレ関係

特殊な便器のパッキンを除けば、よく使うパッキンというのは決まってきます。特に消耗が激しく、交換が予想されるのは、密結パッキンと排便管パッキン、そして洗浄管関係です。

 

密結パッキン

便器本体とロータンクとの接続部分のパッキンです。メーカーや種類によってサイズが異なるので少々厄介なのですが、緊急性を要するような漏れ方はほとんどないため、型番が分かってからの対応でも大丈夫かと思います。

TOTO用

オーソドックスな51㎜タイプ

 

排便管パッキン

排水がPタイプ(横向きに排水するタイプ)の場合に、便器と配管との接続部分に使用するパッキンです。かなり安いですし、激しい消耗や汚れが想定されますから、必ず交換としても良いくらいです。

 

洗浄管用差し込みパッキン

タンクと本体とが洗浄管で接続されている場合の、本体側または、洗浄管同士の接続部分に使用されています。基本的に38㎜径です。

断面が先細になっており、そこが”差し込まれる”形状のものです。写真右側のスリップパッキン(袋ナットの滑りを良くするためのもの)と合わせて交換するのが普通です。

 

洗浄管用平パッキン

洗浄管とタンクの接続部分に使用されます。たまにこの部分を外すと差し込みパッキンが使用されている場合がありますが、平パッキンを使うのが正しいです。

スパッド用

洗浄管と本体の接続部に、スパッッドという金物が使用されています。この部分にも当然のことながら、パッキンがあります。

便器本体に挟み込むように取り付けられており、山形になっている太いパッキンの方が消耗していることが多いです。

洗面化粧台関係

便器以上に多種多様な洗面化粧台ですが、やはり交換が予想されるものは決まってきます。給水の止水栓関係以外に、排水トラップ関係は必須です。稀に洗面器の貫通部分(排水栓)も漏れることがあります。

 

排水トラップ用差し込みパッキン

洗面のトラップはPタイプとSタイプの2種類ありますが、どちらにしてもU管とステッキとの間にパッキンを使用しています。トイレの洗浄管用と似ていますが、32㎜径が一般的です。

排水トラップ用平パッキン

トラップのタイプによっては、接続口が平パッキンの場合もあります。

 

排水栓取付パッキン

まれにですが、排水栓の取り付け箇所から漏れてくることがあります。この場合、下側のパッキンが劣化していることがほとんどです。下写真の左が下側のパッキンです。

流し関係

流しで交換が多いのは、排水トラップと配管の接続部分にある袋ナットのパッキンです。パッキンが悪いのではなく、袋ナットが線切っていることが原因の場合もありますので、よく確認しましょう。

 

その他

ここまでご紹介したもの以外に、改修工事でよく交換するものを挙げておきます。

 

クランクパッキン

古いタイプの流しやシャワー水栓は、クランクのついた混合水栓が多いです。下写真の左右から出ている、本体を支えている部分がクランクです。

このクランクと本体の接続部に使用されるパッキンも消耗が激しいです。2種類あるのでどちらも揃えておくのが無難です。

幅広で薄いタイプと、幅が狭く少し厚いタイプの2種類です。どちらが合っているかは、本体に当てがえばすぐに分かります。

 

蛇口のUパッキン

蛇口の水が出る部分と本体の接続部には、少し特殊な形のUパッキンが使用されています。

この部分もたまに漏れるのですが、止水部分より先なので、蛇口を閉めておけばとりあえず漏れは止まります。

まとめ

今回はマンションや団地などの改修工事で、交換が予想されるパッキン類についてまとめました。パッキンは劣化してしまったら、どんなに腕の良い職人さんが施工しても漏れますつまり交換するしかないのです。

とは言え、今回ご紹介したパッキン類はよく使われるものが多く、ホームセンターでも手に入りますし、価格も安いものがほとんどです。全てを揃えておくのではなく、すぐ買えるような場所を現場の近くで探しておくとか、脱着のある器具関係に絞るなどして、必要最低限のものがあれば十分だと思います。

パッキンの劣化による漏水は、改修工事をやっていれば必ず遭遇します。ただ、本来の工事内容ではない不付随作業ですから、できるだけサクッと終わらせたいところです。そのようなためにも、このページの内容を参考に準備して頂ければと思います。

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