ねじ込み配管で大活躍するヘルメシールについて、こんな風に思ったことはありませんか?
「途中で固まって使い物にならなくなるんだよなぁ・・・」
「最後まで使い切ったためしがない」
「硬くなってしまった時に柔らかくしたい」
私は配管工になった当初からそう感じてきたので、どうにかできないかとこれまで試行錯誤してきました。そしてある一定の方向性が決まってきましたので、今回ご紹介したいと思います。
ヘルメシールは消耗品とはいえ、使え切れなかったものを3、4缶集めると1缶分くらいになってしまうこともありますから、できるだけムダは無くしていきましょう。
なお、ひと口にヘルメシールと言ってもたくさんの種類がありますので、今回対象とするのは衛生配管によく使用される「ヘルメシール55」とさせていただきます。
1.できるだけ硬くなるのを防ぐ
ヘルメシールは、容器がしっかりと密閉されていれば、すぐに固まることはありません。フタもネジ状になっているので、塩ビのりや滑剤などと同様に密閉力があります。
しかし、新品を開封して使い始めたが最後、そこからどんどんフタがしっかりと閉まらなくなっていくのです。それは以下の理由によります。
- 元々ドロッとしていて固まりやすい
- ハケに適量取るために縁に擦り付けるたびに、フタ付近に付着する
- すぐにフタが閉めにくくなるので、毎回押し付けるだけで終わりにしてしまう
これらが繰り返されるうちに、フタはどんどん閉まりにくくなり、中身も硬くなっていきます。
ということは話しは簡単で、フタ付近に付着したものをできるだけ拭き取り、フタの周りで固まってしまった“カス”を定期的に取り除けば良いわけです。
2.定期的に薄める
毎回しっかりとフタを閉めていても、どうしても少しずつ硬くなっていきます。これは避けようがありません。
そこでお勧めしたいのが、薄め液を使って定期的に薄めることです。コーキングぐらいの硬さまでなら復活させることができます。それより硬くなってくると、うまく薄まらないかもしれません。
ヘルメシール専用の薄め液がありますので、そちらを利用した方が無難かと思います。
※他のものは試したことがないので、お勧めできません。自己責任でお願いします。
3.普通に使っていたら絶対に最後まで使いきれない⁉︎
ヘルメシールの容器は、塩ビのりや滑剤などと同じく、ハケがフタに付いています。
そしてもちろん長さ調整はできませんから、フタが完全に閉まった状態が、ハケの先が1番容器の底に近い状態です。
ところがこのハケ、とても残念な点があります。それは、フタを完全に閉めた状態でも、ハケが容器の底に届かない(短い)ことです。
つまり、普通に使っている限り、硬くなっていなくても最後まで中身を使い切ることはできません。
これを解決するには3つの方法があります。
① ハケが届かない部分を他の容器に出して使う
他の容器を用意するのが面倒ですが、柔らかい状態なら有効な方法です。
使い切る覚悟でやらないと、結局また戻すことになってしまうのでそこまでお勧めはできません。容器は、小さな紙コップくらいがベストでしょう。
② 容器をハンマーで叩いてハケが底に届くようにする
この方法はとても簡単でオススメです。残りの量が少なくなってハケが届かなくなったら、フタの周りを上からハンマーで叩いて容器を潰します。
こうすることで、ハケが容器の底まで届くようになるのです。均一に適度に叩かないと、容器自体が壊れたりフタが閉まらなくなったりしますので、何度かやってみて感覚をつかみましょう。
③ フタを閉めるネジ部が付いている“上蓋”ごと取って使う
1番確実にすべて使いきれるのがこの方法です。下写真の1段凹んでいる部分をマイナスドライバーなどで開けて使います。
ただし、この部分を開けると、密閉力が弱まるだけでなく、フタを開けようとした時に外れて中身をぶちまけたり、収納時に横になっていて漏れていたりする危険性があります。
最後の手段として考えておくと良いでしょう。
これらの方法を駆使すれば、中身を最後まで使い切ることは、十分に可能です。
今回のまとめノート
ヘルメシールはねじ込み配管に欠くことのできないものです。その性質上、空気に触れているとすぐに硬くなってしましますし、ハケをうまく使いこなすのも難しいので、なかなか最後まで使い切ることができません。
それでも、できるだけ工夫してムダをなくしたいところです。そのためには、フタに付いたカスをこまめに掃除したり、硬くならないうちに薄めたりと、地味な作業を行う必要があります。
面倒なことですが、何もせずに毎回捨ててしまうことになっては、お金を捨てているも同然です。1缶分は小さなことでも、何十缶、何百缶と積み重なるとすごい量(金額)になりますから、ぜひ意識的に日々の作業に取り入れてみてくださいね。
では、良い配管工ライフを!
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