スラブ貫通部の斫りが招いたとんでもない事態

少し前のマンション改修工事での出来事です。共用部・専有部を含む汚水・雑排水配管の更新工事をしており、階数が多かったため行程的には上層階と下層階に分かれていました。つまり下層階の配管を更新した後に竪管の仮つなぎをしておき、少し間が空いて上層階の配管工事となるわけです。そして竪管の貫通部は配管の前日に斫ります。この斫りにより、今回とんでもない事が起こったのです。

何が起こったかのか

運の悪いことに事態は夜22:00頃に起こりました。それは2階に住むお客様から監督への一本の電話から始まりました。「排水口から汚い水がどんどん溢れて来ます!」監督が急いで現地に駆けつけたところ、既に2階の部屋の床はほとんどの部屋が水浸しになっていたそうです。慌ててありったけのウエスやバケツを使って水を排除すると共に、上階のお客様に水を流さないで頂くよう連絡に走り、更には竪管最下部の曲がり部分をハンマーで叩いてみたりしたところ、なんとか溜まった水は排水されるようになったとのことでした。

その後水を最大限拭き取りはしたものの、一部の家具は使い物にならなくなり最終的に住人の方は引越すことになったそうです。正確な情報は私も分かりませんが、おそらくは引越しの代金はもちろんそれ以外にもかなりの賠償金が発生したのは間違い無いでしょう。

でもここで気になるのが、お客様が何か配管が詰まるような変な物を流したのでは?という疑問です。確かにトイレットペーパーを丸ごと流すとか洗面にモルタルを流したりすれば詰まる可能性はあります。ただそれはあくまでも枝管が詰まるのであって、今回詰まったのは125Aの竪管でありお客様がどうこうするレベルでは無かったのです。

原因と防止策

今回起こった事態の原因を最終的にどう結論づけたかと言いますと、「上層階での斫りによる振動で、既存管内部のスケールやサビが竪管内部に落下蓄積したこと」ということです。もし既存管が塩ビだったらちょっと無理がありますが、今回は何十年も使用した”鋳鉄管”でしたから信憑性は高いです。その証拠に、次の上層階斫り以降は仮つなぎ部分を一旦バラして養生しておいたところ、斫り後にかなりのスケールやサビが落下して来ていることが分かったのです。

そして防止策として、竪管仮つなぎ部分は斫りの前に必ずバラしておくことと、斫りの後には各階で水をバンバン流して確認することが挙げられ、それ以後は竪管が詰まるとか流れが悪いなんてことも一切ありませんでした。

ちょっと考えてみれば、事態が起こった当日も斫りが終わった時点で既に竪管は詰まっていたでしょうから、水をバンバン流して確認していればその時点で発覚し大事には至らなかったかもしれません。そう思うと配管後は考えられる最悪の自体を想定して、面倒でも時間をかけて確認することが理想ですね。

ひとまず今回の件は”事故例”として今後の施工や安全管理に役立てられますし、被害が2階の一部屋だけですんだ(1階部分はエントランス)のも幸いでした。ただ、配管工の立場としては監督の管理体制が悪いとかいう話しではなく、同じことが二度と起きないよう自分からも施工や確認の仕方などを提案していかなければと痛感しました。

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