ハウジング継手+グルービング配管の施工方法【必須の4ポイント!】

ハウジング継手+グルービングによる配管は、白ガス管やステンレス管での消火栓・スプリンクラー・給水配管などで採用されています。

施工手順はとてもシンプルなものですが、いくつか確実に押さえておくべきポイントがあり、それが以下の4つ。

 

  1. グルービング加工する管はまっすぐ切断する
  2. 浅いグルービングはアウト
  3. ハウジング継手と管に滑剤をよく塗る
  4. 配管を考えた支持位置にする

 

今回は、この4点について詳細をお伝えします。

このページの内容を踏まえてグルービング配管を行えば、漏水のリスクを減らし、より正確で効率的な配管ができるようになりますよ。それでは一つずつ見ていきましょう。

 

グルービング配管の施工方法

本題に入る前に、グルービング配管の施工方法をまとめておきます。既にご存知の方は読み飛ばしましょう。え

 

使用するハウジング継手

使用するハウジング継手は、パッキンとそれを囲む本体・ボルトナット2本から構成される簡単な作りの継手。

仕組みとしてはとても単純ですが、信頼性の高いものです。

エルボやチーズは端が管径になっているので、その部分にハウジング継手をハメて接続します。

 

施工方法

グルービング加工した管と継手、または加工した管同士を接続する手順を簡単に説明します。

 

① 管(継手)の先端とパッキンに滑剤を吹きつける

管と継手先端の外周と、パッキンの内側・外側に滑剤を十分吹きつけます。

 

② パッキンを片方の管(継手)にハメて端と合うまで送る

パッキンを管または継手のどちらかにハメます。パッキン面と管(継手)面が一致するまでパッキンを送ります。

配管するときに接続部が見えやすい方にハメるのがコツ。

 

③ もう片方の管(継手)をぴったり合わせ、パッキンを中央まで送り込む

両方の溝が見えて、パッキンのよじれがないようにパッキンを中央に送り込みます。

 

④ 本体をハメてボルトナットを手締めする

 

⑤ 90度ほど本体をクルクル動かし(時計回りと反時計回り両方)向きを決める

クルクル動かない場合は、折れやパッキンのズレにより本体がうまくはまっていない可能性があります。

一旦外してパッキンの状態を確認した方が良いでしょう。

 

⑥ インパクトなどでナットを均一に締付ける

ハウジングの本体が左右ピタリとくっつきます。

ここまでが、施工手順になります。それでは、次章からポイントをお伝えしていきます。

グルービング加工する管はまっすぐ切断する

「管をまっすぐ切断する」というのはグルービング配管に限ったことではありませんが、グルービング(いわゆる溝を付ける)加工をする際に、特に重要となります。

なぜなら、加工機は管端に沿って回転しながら溝を付けていくため、管端が曲がっていると溝も曲がってしまうことになるから。

 

そうなると溝の深さも不均一になってしまいます。

チップソーにしてもバンドソーにしても、本体と平行に管を設置して、まっすぐ切断することを常に意識しておきましょう。

 

くれぐれも、「管が水平ならまっすぐ切断できるわけではない」ことに注意してください。

バンドソーの使い方



浅いグルービングはアウト

機械でグルービング加工をする際に、絶対にNGなのが“浅い溝”です。

実際、過去に現場での水圧テストの際、接続部がすっぽ抜けたことがあるのですが、原因は溝が浅かったことでした。

 

メーカーの施工要領を見ても、浅い溝がNGであることが分かります。マイナスの誤差つまり溝が深くなる分は許容されていますが、プラスの誤差は0となっています

トップジョイント施工要領書より抜粋

 

浅い溝を防止するのは簡単なことで、加工後のゲージによるチェックを徹底すれば良いのです。

ゲージには溝ゲージと周長ゲージの2種類あり、溝ゲージの場合には、2箇所以上十字方向で確認することがポイントです。

トップジョイント施工要領書より抜粋

ハウジング継手と管に滑剤をよく塗る

ハウジング継手の使用においては、滑剤が欠かせません。

なぜなら、パッキンをスライドさせる時や本体を回す時にスムーズですし、その分パッキンを傷つけることもないから。

 

ポイントは、とにかく全体的にムラなく吹き付けること。

ただし、滑剤を吹き付ける時は、できるだけ壁や床などに付かないように注意しましょう。文字通り”滑剤”ですから、誰かが滑って怪我でもしたら大変なことになりますので。



配管を考えた支持位置にする

冒頭の施工手順を見ていただければ、施工手順はとてもシンプルであることが分かると思いますが、1人で配管するとなると意外と手こずります。

これはパッキンを中央に送るところからナットを締付けるまで、管(継手)と管の通りをぴったりと合わせておく必要があるためです。

 

つまり、1箇所のみ支持した管を1人で接続しようとした場合、管を支えながら一連の動作をしなければならないのです。太物の配管ではまず不可能です。

そこで、半切り以上の長さの配管は支持が2点以上になるように間隔を調整したり、1m程度の長さなら支えやすいように中心付近を支持したりといった配慮をしましょう。

 

もちろん継手の近くには支持を設け、過剰だと思われないくらいの量にします。

今回のまとめノート

グルービング配管は施工方法がシンプルで、消火栓やスプリンクラー配管、給水などに幅広く採用されています。

漏水のリスクを減らし、より効率的に配管するために以下の4つのポイントを意識しましょう。

 

  1. グルービング加工する管はまっすぐ切断する
  2. 浅いグルービングはアウト
  3. ハウジング継手と管に滑剤をよく塗る
  4. 配管を考えた支持位置にする

 

難しい内容は何一つなく、どれもすぐに実践できます。実践し続けていれば、やがてそれが”当たり前”となり、職人としての腕も上がりますから、ぜひ参考にしてください。

では良い配管工ライフを!

 

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