インパクトドライバーといえば、配管工に限らず職人やDIY好きの方には欠かせないものですよね。
中には数台持っているという人も少なくありません。1番の用途はプラスのビスや六角ボルトの締付けでしょう。それ以外にも、研削や穴開けなど、使い方はバラエティーに富んでいます。
そんな多用途なインパクトドライバーですが、使い方のちょっとしたコツや小技を知ることで、より作業を効率的に進めることができます。本当にちょっとしたことで作業スピードが格段にアップすることもあります。
今回は、そんなインパクトドライバーに関するコツ&小技の中で、私がオススメするものを5つご紹介します。それが以下の5つです。
- 穴開け時の回転スピードを抑える
- SUS管のバリを取る
- 全ねじソケットと組合せて使う
- ビットが外れなくなった時に逆転でクラッチをきかす
- お掃除ビットにより手軽にお掃除!
どれも簡単に実践できますから、ぜひ日々の配管作業に取り入れてみてください!
1.穴開け時の回転数を抑える
インパクトドライバーを使って開けられる穴は多岐に渡ります。ホームセンターに行くと多くのビットがずらりと並んでいて、目的のものを見つけるのにも一苦労ですよね。
そんな中で配管に関する穴開けといえば、主に器具付け関連です。給水・排水が器具を貫通する穴や蛇口を付けるための穴です。
これらの穴を開ける時にとにかく注意しておきたいのが、「回転スピード」です。穴開け対象(木・ステンレス・ホーローなど)に限らず、できるだけ回転スピードを抑えた方が良いのです。理由は木の場合と金属の場合で分かれます。
木の場合
木は金属のように硬くないので、ホルソーの刃が焼けたり欠けたりすることはほとんどありません。
木用ホルソーセット
それでも回転スピードが速すぎると、切り口のバリが多くなるだけでなく、最悪は割れが発生することもあり得ます。特に古い洗面台の底板に穴開けするようなケースでは、勢いよくやりすぎると、裏地が粉々になることもあります。
急いでいても回転スピードは落として穴開けをしましょう。
なお、ウッディングコアによる柱への穴開けなど、ある程度厚みのある木への穴開けについては、そこまで回転スピードを意識する必要はありません。
ウッディングコア
厚い木への穴開けにはパワーがいるので、回転スピードを絞っていると逆にパワー不足となってしまうからです。
金属の場合
衛生器具周りの金属といえばステンレスかホーローです。どちらの場合も、使用をオススメするのは超硬ホルソーです。
インパクト用シャンク
超硬ホルソーはその名の通りとても硬いので、ステンレスやホーローにも問題なく使用できるのですが、ここでも回転スピードは抑えめにしましょう。
なぜなら、回転スピードが早いと刃が焼ける原因にもなりますし、不要なクラッチがきいて刃が欠ける原因にもなるからです。超硬ホルソーは1つの刃が欠けるとバランスが悪くなり、次々に刃が欠けてしまう傾向があります。
グッと力をかけてゆっくりと削る方が早く穴開けできます。
回転スピードの調整について
もし回転スピードの調整機能が付いていなければ、スイッチの押し具合で調整することになります。これは指先の加減だけが頼りですから、ちょっと難しいです。
ただ、大手メーカー製で最近のものであれば、ほとんど調整機能が付いていると思って良いでしょう。
右赤丸部分のボタンで回転スピードを調整
2.SUS管のバリを取る
ナイスジョイントやZlokに代表されるSUS管ですが、切断後のバリ取りを欠かすことはできません。
バリ取りの方法としては、棒ヤスリ・手動リーマー・電動リーマーなどがあります。ただ、それぞれ以下のような欠点があります。(あくまでも欠点のみを抽出していますので、もちろんメリットもあることだけは分かっておいてください)
- 棒ヤスリ → 手が腱鞘炎になる
- 手動リーマー → 高価なのに結局手動だ
- 電動リーマー → そもそも高すぎて手が出ない
これらを解決してくれるのが、インパクト用の砥石ビット(三角型)です。
オススメは三角型で、内面のバリを取るのに適しています。外面のバリ取りには向いていないので、サンダーなどで一気に取ってしまう方が良いかと思います。
3.全ねじソケットと組合せて使う
全ねじを掴んで回せる便利なビットが「全ねじソケット」です。
本来の用途は、ショートアンカーなどに全ねじを素早く入れることですが、他にも便利な使い方があります。その1つがナットを高速で外す(入れる)事です。
具体的にどんな時に役立つかというと、レベルバンドの全ねじを伸ばす時や、機械を吊るための全ねじを用意しておく時です。
ナットを外す(入れる)作業は結構めんどうで、数が多いとなると尚更やる気がなくなります。そんな時に全ねじをインパクト+全ねじソケットで回してあげるだけで、かなり作業効率がアップします。
ナット2つや3つになっても、指で押さえられれば、同時に入れ外し可能です。
4.ビットが外れなくなった時に逆転でクラッチをきかす
金属に穴開けをしたり、汚れたビットを使い続けたりしていると、ビットが本体から外れなくなってしまうことがあります。挿し込み部分が“くってしまっている”状態です。
この時に、ビットをカンカン叩く事で外れることもありますが、それよりも、逆転にしてクラッチを2、3回効かせてあげるだけで簡単に外すことができます。
超硬ホルソーなどのビットを手で押さえることになりますから、くれぐれもケガしないように注意してください。
5.お掃除ビットにより手軽にお掃除!
インパクトのビットには、お掃除用のものも数多くあります。例えば以下のようなものです。
インパクトの回転を利用して汚れを落とすわけですね。
コツとしては、回転スピードを1番遅くすることです。回転スピードが速すぎると、洗剤などが飛び散りますし、対象物にキズが付きやすくなるからです。
普段のお掃除にももちろん使えますが、配管に関する使い方でオススメなのが、ステンレス管のもらいサビ落としです。
手で落とすよりは格段に楽です。
今回のまとめノート?
インパクトドライバーは、職人にとって欠かせない電動工具です。その用途は、ビスやナットを締付けるだけでなく、穴開けや削りなど様々です。
その中でも、以下のようなコツや小技により、さらに作業効率をアップすることができます。
- 穴開け時の回転スピードを抑える
- SUS管のバリを取る
- 全ねじソケットと組合せて使う
- ビットが外れなくなった時に逆転でクラッチをきかす
- お掃除ビットにより手軽にお掃除!
気になったものからどんどん実践して、より快適にインパクトドライバーを使いこなしていきましょう!
では、良い配管工ライフを!
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