板ラチェット(コンビネーションレンチ)はニーズに合わせて選ぶべきです!(今回対象となるのはラチェットとスパナが組み合わさった薄いタイプのものです)MD継手のボルトナットを締めたり支持金物を取り付けたりと、板ラチェットを使いたくなる場面は多いです。
写真の製品はごくオーソドックスなものですが、先端の形状や長さなど様々な種類があります。今回は形状による違いをご紹介したいと思います。
ラチェット側の形状の違い
ラチェット側の形状は少し細かく分けることが出来ます。順に説明します。
☑️角度の違い
ラチェット部分が柄に対して角度が付いているものがあります。ほとんどの製品が13°程度角度が付いており、ナット部に密着させやすくなっています。
☑️首振り機能の有無
ラチェット部が180度程度首振り出来る構造になっています。自由に角度が変えられる利点がある一方、首振り部が破損しやすいのも事実です。実際に締め付けができるのは30度くらいまででしょう。
☑️回転方向の切替
これは首振り機能の有無によります。つまり首振り出来るものは裏返すことで回転方向が変わり、固定の方はスイッチによって回転方向を切替えます。
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スパナ側の形状の違い
スパナの部分も様々な形状があります。ごく普通の形状以外に、片方向でのみ締め付けが可能な形状があります。つまり、ラチェットのように片方向で締め付け、逆方向で“逃す”使い方が出来るわけです。
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長さの違い
どのメーカーの製品も概ね100㎜〜300㎜くらいの全長ですが、ショートタイプのものは100㎜〜150㎜くらいです。例えばTOPさんの同じ17㎜の全長を比べてみると、普通は224㎜ですがショートは124㎜と100㎜の違いがあります。短い分力は入れにくくなりますが、何よりも狭小箇所での使用に適しています。
現場での使い分け
さて、実際の現場での使い分けは具体的にどのようにすれば良いでしょうか?私のお勧めは、まず長さもスパナ形状も普通の首振りなし(角度付き)を使い、その後現場の状況に合わせて変えていく事です。現場の状況とは、首振りが出来ないとナットに密着しないとか、締めしろがないからショートがいいなどです。ただ、変えるタイミングとしては毎日そう感じるようになってからで良いと思います。ラチェット一つでも何千円しますし、数回のために新しいものを買っても倉庫で眠らせるのがオチですからね。
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