【建設現場での熱中症・暑さ対策】本当に効果があるのは何?完全理解

いやー、真夏の建設現場って本当に地獄ですよね。

ちょっと動いただけで汗が吹き出してくるし、あまりに暑くてボーッとしてヤル気も半減です。

 

そんな状況で作業をしていると、とにかく注意しなければならないのが、「熱中症」ですよね。

現場では6月くらいから朝礼などで口すっぱく言われるようになります。

 

そこでこの記事では、熱中症・暑さ対策として、現場でよく使うまたは推奨されるグッズや方法について、どのくらい効果があるのかを検証してみます。

ぜひ参考にしていただき、酷暑を乗り切りましょう!

 

結論:1番効果があるのは職人同士のコミュにケーション

最初にお伝えしたいのは、グッズでもなんでもないのですが、熱中症対策の真髄とも言える内容です。

何シーズンも現場での酷暑を乗り越えてきた私から見て、熱中症対策に最も効果があるのは、「職人同士のコミュニケーション」です

 

なぜなら、良好なコミュニケーションが取れていれば、少し調子が悪い・キツいと思えばすぐに休みたいと言えますし、体調が悪そうな仲間がいれば気がついて声をかけてあげられるからです。

どんなに効果のあるグッズを使っていても、過酷な環境で休みなく作業し続けたら意味がありません

 

ちょっと具合が悪いのに、涼しい部屋で休めなかったらそのまま熱中症になるでしょう。

熱中症にかかる人の傾向として、意外と年齢の若い人(特に新人)や真面目で頑張り屋の人が多いそうです。

 

これは明らかに、体調が悪くても怒られるから休ませてくれなんて言えないとか、若いのはコキ使ってなんぼだと思っているクソ親方に原因があります。

または、休憩よりも仕事の進み具合を優先してしまい、気が付いたら体が相当まずい状態になっていたということもあるでしょう。

 

「熱中症に気をつけよう」「こまめに休憩しよう」と言うのは、実はほとんど監督ばかりで、実際に施工している職人は周りが見えなくなっていることも多いもの。

ですから、作業環境が厳しい時こそ「職人同士のコミュニケーション」が大切であることを肝に銘じましょう。

 

これ、本当に大事ですよ。

現場での仕事は、どこかのスパルタな部活でもありませんし、特殊部隊の訓練でもありませんからね。

爽快くん

ヘルメットの後ろに取付け、水で濡らして使用します。

大手の現場では使用が義務化されているケースもありますから、朝礼で整列するとみんな付けていますね。

 

効果に関しては、外構工事なら首に当たる日差しを遮ることもできるため、そこそこの効果があるかと思います。

ただ室内では逆に暑苦しい感があります。しかも、含ませた水はすぐに蒸発してしまうのと、2日目には汗でとんでもない臭いになるので毎日洗濯が必要です。

 

よって個人的には、外構工事でなければ付けなくてもいいかな、という感じです。

そんなに高いものではないですし、毎日洗ってクシャクシャになっても1シーズンは余裕でもつので、現場で義務化の人はどうぞ。

水を含ませて使うタオルや服

タオル・キャップ・ベストなどに水を含ませてから使用する冷んやりグッズ。水が蒸発する時の気化熱を利用しています。

水に濡らすだけで使用できますし、タオルなら首だけでなく頭に巻いたり顔全体を覆ったりと好みに合わせた使い方も。

 

現場で作業をしていると頻繁に濡らすのは難しいですが、それこそ真夏なんかは汗拭きタオルとして使っているだけで水に濡らしたのと同じような状態になります。

タオルを持ち歩く習慣がなかったり首に巻いていること自体が暑苦しいという人には向かないでしょう。

 

逆に、タオルを常に使っている人やヘルメットのしたに巻いているという人は、夏場はこれに差し替えても良いかと思います。

冷却スプレー

元サッカー部の私からすると、捻挫や打撲をした時に患部を冷やすコールドスプレーというものは馴染み深いです。

ただ、それは怪我の痛みを和らげたり熱を逃すのが目的でしたから、今のように暑さ対策として定着したのはここ最近ではないでしょうか。

 

単純にスプレーした箇所はめちゃめちゃ冷んやりしますので、気持ちいいです。

冷んやり感も一瞬というわけではなく、数分は持続する感じ。

 

ただし、体に直接3秒以上スプレーし続けると凍傷になってしまう可能性がありますから、ほどほどに。

現場で使うというよりはスポーツやレジャー向けかなという印象です。

 

首や脇など血管が多いところにスプレーしたり、ハンドタオルにスプレーしたのを顔に当てたりするのがおすすめです。

空調服

空調服は、ここ最近では義務化の現場も多くなってきましたね。

どこでどんな作業をしていようが、ファンが回っている限りは空気が服の中を循環してくれます

 

これが結構涼しくて、着慣れてしまうと無きゃ仕事にならないくらい。

最近ではデザインもカッコいいのが増えてきたので、職人だけでなくスポーツやアウトドアでの使用、私服で着て歩いている人すら見かけますね。

 

取付けられるファンは規格なので、どれも大きな違いはありませんが、服の方はブルゾン・半袖・ベスト・ズボンなど種類が豊富。

素材もポリエステル・綿・混紡糸などから選べますし、好みに合わせて選ぶことができますよ。

 

あらゆるタイプのものを着てみた私としては、やはり「ベストタイプ」が1番涼しく感じました

エアーで着膨れする分、やはり腕周りはスッキリしている方が作業もしやすいですし、服じたいの暑苦しさがありませんからね。

半袖+アームカバー

アームカバーと言えば、それこそ昔はマダムの紫外線対策みたいなイメージしかありませんでしたが、最近では職人の間でもすっかり定着しましたね。

直接冷やしたりするものではありませんが、「半袖+アームカバー」のスタイルによって、脇からの風通しが良くなるため、涼しさは格段に増します

 

半袖タイプの空調服との相性もバツグンで、休憩中は手首まで下ろしておくか外してしまえば更に涼しくなります。

薄手の生地が肌に密着するような形状なので、少し鋭利な箇所に当たれば破けますし肌を保護する能力は低め

 

それもあって、厳しい現場では禁止されるケースもありますね。

個人的には、狭小箇所でも腕まわりが色んなものに引っかかることが無いので作業がしやすいですし、何より開放感があるので、夏はこのスタイル一択です。

 

ちなみにアームカバーはサイズが結構大ざっぱで、素材の伸縮も商品によって違うため、意外と自分にピッタリのものを探すのに苦労します。

腕まわりの太さを計測して買ってもゆるゆるだったり、同じ「Lサイズ」の表記でも商品によって全然サイズが違ったり。

 

なので、ホームセンターなど試せるところで買うか、いきなり大量に買わずに試しながら自分に合う商品を探すことをおすすめします。

扇風機

扇風機は暑さ対策としては最強の部類に入ると思います。

なぜなら、まとまった風量を出せますし、体全体に風邪を当てて汗を蒸発させ冷やすことができるからです。

 

更にはこもりがちな部屋内の生温い空気を換気することもできますね。

現場で使う三脚がついたようなタイプは結構な風量が出ますから、逆に粉塵を撒き散らしてはいけない作業や図面などが飛んでいかないように注意しましょう。

それから作業場所が一定の場合は上のような扇風機でも良いですが、ちょこちょこ移動するような場合は持ち運びが簡単なものが良いでしょう。

各電動工具メーカーから充電式(電池式)のタイプも多数出ていますから、自分使っているメーカーと合わせて用意するのもありですね。

適度な水分・塩分補給

これはどんな現場でもマジで必須です。

空調のきいた部屋でアイソメでも描いているとかでなければ、適度な水分・塩分補給がなければ熱中症を防ぐことは不可能でしょう。

 

ただ、詰所と作業場所が離れていることもあるでしょうから、すぐに水分や塩分補給をできる体勢を整えておくことが必要になります。

最も簡単なのは、断熱性能のある水筒にスポーツドリンクを入れて持っていくことさすがに夏場に水筒の持ち込みを禁止する現場はありません。

 

スポーツドリンクは汗で失われがちな塩分も補給することができるため一石二鳥です。

もし水やお茶(カフェインレスを推奨)を持っていくなら、ポケットに塩飴や塩タブレットを忍ばせておくと良いでしょう。

 

ちなみに、水筒は可能なら1ℓ以上のサイズをおすすめします。

何せ500mlなんてちょこちょこ飲んでいたらすぐになくなってしまいますからね。私は以下の1.5ℓを使っています。

適度な休憩

休憩は水分補給をするタイミングになるだけでなく、単純に汗の量を抑えたり自分やメンバーの体調を確認したりもできます。

作業中は集中していますから、ついつい周りが見えなくなりがちですし、自分が大量の汗をかいていてもお構いなしです。

 

この辺りはやはり、時間を管理している人(職長や監督)がキッチリと休憩を促すべきだと思います。

なぜなら職人は作業に熱中しやすく、“頑張りすぎる”ことを美徳だと思っている人もいますから。いわゆる体育会系というやつです。

 

冒頭にもお伝えした通り、職人同士のコミュニケーションが円滑なら問題ないでしょう。

逆に時間をしっかり管理できる人がいなかったり、パワハラのような休憩の少なさがあるなら、なりふり構わず休んでください。

 

何しろ命より大切なものはありませんから。

毎年多くの職人が熱中症で命を落としている現実を重く受け止めましょう。

涼しい休憩所の設置

ここ最近の現場では、詰所とは別の場所に空調のきいたハウスを用意しているケースも増えています。

熱中症対策として一定時間ごとに体を冷やすことは効果が高いですから、詰所が遠い場合や炎天下での作業には非常にありがたいですね。

 

もし具合が悪くなってしまったとしても、外で休むよりは体を冷やすことができるので、万一の救護室的な使い方もできるでしょう。

ところで、最近道路工事などでこんなキャンピングカーが停まっているのを見かけませんか?

 

これは仮設トイレや休憩所をかねた、移動式の詰所として利用されているそうです。

キャピングガーならそこそこの人数が入れますし、エアコンも普通の車よりはしっかりとしたものがついています。

 

移動も簡単ですし、最初に考えた人すごいなぁと思います。

今回のまとめノート

毎年夏になれば必ず注意しなければならないのが熱中症です。

ここ10年くらいで夏の暑さは厳しくなる一方ですから、対策は必ずしておきましょう。

 

今回ご紹介した内容は誰にでも取り入れられることばかりです。(涼しい休憩所を除いては。笑)

ぜひ日々の作業の参考にしていただけるとありがたいです。

では、良い配管工ライフを!

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