3ステップで完了! 45度での芯ずれが入る場合の寸法計算

竪管でも横引きでも、45度を2つ使って少しだけ芯をずらすことがありますよね。

この時に、芯をずらすことができれば、45度の位置はどこでもいいというケースがあります。

 

というより、竪管ならほとんどそうです。どこでもよくはなくても、なるべく天井近くとか、枝配管のすぐ上など、シビアじゃないことが多いもの。

簡単な例を挙げると、下図のような場合です。

竪管が45度2つでオフセットする場合のイメージ

この45度による芯ずれを含む部分の寸法取りは、手間を省いて「45度の前後の継手間」となることが多いです。つまり、イラストのA~Bの部分ですね。

そしてこの部分(45度で振る前後2本の寸法)を後から計算することになるのですが、これがまた慣れないと結構な確率で間違えるんですよね

 

おそらく休み時間にでも机の上で落ち着いて計算すれば簡単なのかもしれませんが、現場では速さが求められますからなおさら。

そこで今回は、45度による芯ずれを含む部分の計算を、3ステップで計算する方法をご紹介します。このステップを憶えてしまえば、現場で間違えて親方に怒鳴られる確率はグンと低くなりますよ。

 

45度を含む寸法計算の3ステップ

ここから45度を含む計算の3ステップをご紹介していきます。本当に簡単で当たり前のものと思われるかもしれませんが、実際の現場ではかなりミスが発生します。

このステップを頭に刷り込んで、確実な計算ができるようにしましょう。

 

ステップ1 45度を含むパーツの芯芯寸法を測る

最初から当たり前すぎて申し訳ありませんが、まずは45度を含むパーツの芯芯寸法(もちろん芯先寸法や切り寸でも構いません)を測ります。

この時に注意したいのは、「45度を含む全体の長さで寸法を取った」ということを、忘れないようにすること。

 

アイソメに記入するでも、リスト形式で記入するでも、必ず後から忘れないように明確にメモしておきましょう

竪管のオフセットをアイソメでメモしておく例

アイソメの場合

寸法一覧に45度部分であることを明記している例

リストの場合

 

ステップ2 ステップ1の芯芯寸法から芯引きする

ステップ1で取った寸法から、まずは単純に芯引きします。これは言わずもがなかと思いますが、あくまでも芯ずれ部分は関係なく、芯芯寸法を取った両端の継手の芯引きです。

もちろん、最初から切り寸(45度による芯ずれを含む)が取れた場合には、必要ないですね。

 

ステップ3 45度での芯ずれ部分を引く

最後のこのステップが肝になります。つまり芯ずれ部分を引くわけで、分かってしまえばとても簡単なことです。例えば以下の図を見てください。

竪管がオフセットする場合の差引部分のイメージ

図を見て分かる通り、ステップ2で出した寸法から引く数字は、芯のずれ幅と45度の芯引き×2になります。この計算さえ間違わなければ、寸法はピッタリはまります。

そして引いた数字が切り寸となりますから、これを好きな配分で振り分ければ良いわけです。

 

ちなみに、45度による芯ずらしが中途半端になってしまうこともあるかと思います。その場合は少々計算が面倒になりますが、以下の記事を参考にして頂ければ手順を確認できます。

配管ルートが中途半端に芯ずれした時の寸法取りベスト3

 

Information
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他の継手が入る場合も同じ

さて、ここまで45度による芯ずらしが入る場合のステップをお伝えしましたが、元々は他の継手でも同じ考え方ができます

例えば、継手間の好きな位置にレジューサーやバルブなどが入るケース。

 

このケースの方が話しは簡単で、ステップ3で引く部分が「芯引き×2(両側の芯引き)」となります。

レジューサーが入る場合の差引部分のイメージ

かなり当たり前の計算ではありますが、順序を統一して頭に入れておかないと、間違えることが多いです。



今回のまとめノート

45度を2つ使った芯ずらしを含む寸法については、次の3ステップを憶えましょう。

 

  • ステップ1 45度を含むパーツの芯芯寸法を測る
  • ステップ2 ステップ1の芯芯寸法から芯引きする
  • ステップ3 45度での芯ずれ部分を引く

 

必ずこの手順を踏むように意識すれば、寸法計算を間違えることはなくなります。ぜひ日々の配管作業に役立ててください。

では良い配管ライフを!

 

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3 件のコメント

  • こんばんは!色々な人の配管を見ているとYや45度の寸法の出し方が微妙なのかLTやエルボに無理矢理変えてしまう人が多いです。やはり基本が重要ですよね。質問なのですが、例えばピットの汚水配管をしているとしてドングリさんの場合墨をうった時点で何本も寸法をとっていますか?100×75のLTで次がYで~とかなりますよね。自分の先輩は役物から役物まで(LTなど)1本だけ計って切ってきてといってすんごい効率が悪いと思うんですよね。。1人でやるときはメイン管まとめて寸法取りしてるんですけどそこまでズレないです。熟練した職人はまとめて寸法取りますよね?
    また、ドングリさんは枝までとります?

    • マリオさん、こんばんは! いつもコメントをありがとうございます。
      確かに、どこまで寸法を取るかというのは、人それぞれではあるかと思います。
      私の場合、寸法は枝も含めて「取れるだけ取る」ことにしています。取った寸法を全て加工して配管場所まで運ぶかについては、太さや量によりますね。
      マリオさんのおっしゃる通り、墨がずれていたり計算ミスしたりでもしない限りは、そこまで寸法がずれることはありません。
      たとえ少しずれてしまったとしても、熟練の方ならうまく配管してしまうと思います。加工場まで遠い場合や、配管場所への出入りが面倒な場合には、1本ずつ切ってくるなどは本当に非効率だと思います。
      私だったら、なぜ1本ずつ測って切ってするのか、先輩に聞いてしまうと思います(笑)もしかすると、先輩なりの考えがあるのかもしれませんし。
      いずれにしても、できるだけ効率よく配管するのは確実に正解です。

      • 取れるだけ取るってのはやはり配管を早く効率よくするのは当然と言えば当然ですよね!ココ最近一緒にやり始めた先輩なんであまり色々言わなくしてるってのもあります泣ですが盆明けにやる機会があれば聞いてみたいと思います!ありがとうございます!

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