器具付けは配管工として代表的な作業内容の1つです。その中でも洗面台(洗面化粧台)は、便器と並んで取付けることが多い器具ではないでしょうか。そんな洗面台の取付(新規)が、段取りをしっかりすることで、いきなり付ける場合よりも1.5~2倍の速さになったらすごいと思いませんか?
というわけで今回は、取付前にできる限り段取りをすることによって、取付作業を格段にスピードアップする方法をご紹介します。
なお、洗面台も種類がたくさんありますので、ある程度シナリオを限定させて頂きたいと思います。改修工事、新築工事によらず、ある程度まとまった台数を新規に取付けする場合とします。形は湯水混合栓が付いたオーソドックスな物(上写真のような形)です。
1.事前にやっておく基本的なこと
ある程度まとまった台数の取付を想定していますから、現場には何らかの材料置き場や加工場などがあるはずです。搬入した洗面台は、この材料置き場などで「できるだけムダな物を省き組立を行う」ことが基本となります。以下の事項は、取付場所に運ぶ前にやっておくべき、基本的な内容になります。
1-1 梱包をバラす
最近の器具類は、メーカーさんがとても丁寧な梱包をしてくれていますから、梱包をバラすだけでも時間がかかりますし、バラした梱包材も大量になります。
ですから、必要最小限の梱包材を残し、全てバラした方が良いです。具体的には、下に敷いておけるダンボールと、本体に被っているビニールのみ残せば良いかと思います。
注意点としては、取り付けまでに時間が空く場合、風雨にされされてしまったり、誰かに傷つけられてしまったりすることがないようにしなければならないことです。取付けする日の朝などがベストかと思います。
集合住宅で各部屋に間配りできる場合は問題ありません。
1-2 止水栓をねじ込む
付属の止水栓とメッキ管とをねじ込みます。場合によっては付属のメッキ管では短いこともありますから、注意しましょう。(2-1 給水・排水位置を参照してください)
1-3 蛇口を取り付ける
付属の蛇口はよほどの理由がない限り、先に取り付けておきましょう。梱包をバラした際のビニールを被せておけば養生になります。
1-4 巾木分のかき込み
洗面台は背壁にビスで固定することがほとんどです。壁には床との境に巾木があり、この部分が厚い木巾木などの場合には、背壁に洗面台が密着しませんから、巾木分をかき込んでおく必要があります。
かき込むとは、洗面台の巾木が当たる部分を、シャーパーなどで切り落とすことです。
ただし、もし巾木がソフト巾木の場合には、厚みが2㎜弱しかありませんから、かき込みの必要はないかと思います。
1-5 取扱説明書の保管
器具の取扱説明書はお客様に渡す大切な資料です。器具が複数になってくると、取扱説明書の管理が煩わしくなってきます。もし紛失してしまおうものなら、お金をかけてメーカーから取り寄せるなど面倒なことになりかねません。
段取りの段階でまとめたり、監督さんに管理してもらったりできるなら、そうした方が良いですね。
2.確認しておくべきこと
事前に確認しておくことで、取付がスムーズになる点がいくつかあります。以下の内容を確認しておかないと、場合によっては材料を注文し直して後日対応などあり得ますから、確実に押さえておきましょう。
2-1 給水(給湯)・排水位置
給排水の位置は、通常は監督さんが事前に確認してくれています。ただ、監督さんとしては位置が分かればいいので、細かいところまで確認してくれないことが多いです。
そこで、できれば以下の点についてはもう一歩突っ込んで確認しておきましょう。
- 配管が奥まっていて長いメッキ管が必要ではないか
- 給水、給湯の間隔は適当か
- 排水芯が極端にズレていないか
もし給水や排水の位置が適当でなければ、底板の下で配管を転がしたり、特殊なトラップを注文したりといった対処が必要になるかもしれません。その辺りは監督さんに伝え、必要な部材を揃えてもらいましょう。
2-2 排水接続方法
排水トラップと配管の接続方法を確認しておきます。排水アダプタなのか、付属のアダプタを使うのか、クリーンパッキン(サンリーゴム)のみで処理するのかなどです。
2-3 背面壁の材質
洗面台を背壁にビスで固定する際に、コンクリート面なのか、木下地なのか、はたまたボード面なのかを確認します。
コンクリート面なら、カールプラグやハンマードリルが必要となりますし、ボード面ならボードアンカーが必要となってきます。
2-4 コーキングは必要か
壁の作りによっては、背壁や横壁面との隙間が空きます。その隙間は水の侵入を防ぐために、コーキングで埋めるのが一般的です。コーキングは通常シール屋さん(建築)がやってくれますが、お願いされることもあります。
もしお願いされてしまった場合は、コーキングガンやマスキングテープ、バックアップ材(詰物)は用意しておいた方が良いです。
3.やらない方がいいこと
いくら事前の段取りをすると言っても、状況に応じて”やらない方がいいこと”もあります。例えば背中面や底板への穴開けです。
器具芯がバッチリ決まっている場合は大丈夫ですが、10㎜でもズレる要素がある場合には、現地で正確に測って穴を開けた方が良いです。
まとめ
器具付けの中でも洗面台は携わる機会が多いものです。種類がたくさんあるので、数をこなすのが1番のスピードアップにつながりますが、段取りの基本的な内容はどんな種類でも同じです。
段取りに時間がかかる分、合計時間は同じだと思われるかもしれませんが、実際には全然違ってきます。他の作業にも追われて忙しい中で、現地で梱包をバラして止水栓をねじ込んでとやるよりは、朝などの余裕がある時にまとめて段取った方がはるかに時間短縮になるのです。
このページの内容を参考にして頂き、できる限り器具付けの時間を短縮し、気持ちに余裕を持った作業につなげて頂ければと思います。
お疲れ様です❗
最近、気がついた裏技なんですけど
壁だし給水の場合のみ、壁のキスプラグ正面六角形部ににヘルメを塗る
↓
洗面台本体または背板(プラ、又はベニヤ)をぶつける
↓
ヘルメの跡がつく
↓
ホルソー穴あけてな手順でやってます。ほぼ間違いなく合います
参考になれば嬉しいです
なるほど(^O^)/
ありがとうございます!
ゆうちんさん、貴重な裏ワザをありがとうございます!
良いですね〜! 思いつきませんでした。
次やる時に使わせてもらいます。