ねじ込み配管や鋼材を切断した際などに必ず登場するのが「サビ止め」です。ねじを切ったり切断したりすると、メッキ加工や防錆塗装が無くなりその部分から一気にサビが進行するためです。私の現場での経験上サビ止めを塗らずに置いておくと、およそ一週間もしないうちにサビが出てきます。特に外部や湿気の多い場所は顕著ですから、塗り忘れをしないのは当然として、塗りムラや隙間ができていないかも確認しましょう。
サビがまねく事故
サビが進行するとどのような事故が起こり得るでしょうか。サビが原因ですぐに配管が脱落したりピンホールが発生する事はありませんが、耐久性が低くなってしまう事は確実です。長年の使用により起こり得る事としては以下のようなものです。(サビは経年劣化とも言えますが、原因であることには違いありません)
- ネジ部のサビによる配管の脱落
- 吊り金物のサビによる支持の脱落
- 部分的なサビによるピンホール
- 管内面のサビによる赤水(最近は管や継手の進歩によりほとんどないです)
- 管内面のサビによる閉塞や詰まり
正直なところ事故が起こるとしても数年~何十年後のレベルですので、その時点で責任を問われるなんて事はまずないと思いますが、そういう問題ではなく職人として施工に最善を尽くし、より良い品質を目指すのは当然のことです。上記のような事故を少しでも減らせるよう、焦っていても忘れずにサビ止めを塗りましょう。
サビやすいポイント
ねじ部や鋼材の切り口にサビ止めを塗るのは基本的な事ですが、私が思う「見落としがちだけどよくサビるポイント」をご紹介しておきます。
- 全ねじの切り口
- 全ねじをプライヤーで締めた箇所
- MD継手の塗装が剥げた箇所
- 鋼管継手の塗装が剥げた箇所
- 鋼材の穴開け部分
上記のような部分にまで徹底してサビ止めを塗らなければならない現場はかなり稀ですが、塗った方が良いのは明白ですしスプレータイプのサビ止めであればさほど面倒ではないです。
現場のルールではなくても、検査の時にサビているのを発見され是正対象となる事もありますから、出来る限り塗るように心掛けましょう。ちなみに極力サビの原因を作らないように、全ねじを「全ねじ回し」で締めたり材料になるべく傷を付けないなどの配慮も忘れないようにしたいですね。
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