防食テープの巻き方[配管への施工パターンとポイントをまとめます]

防食テープといえば、鋼管のスラブ貫通部や埋設配管、ステンレスとの絶縁などになくてはならないものですよね。

私もこれまでに巻いた長さは地球を何周かしているでしょう。笑

 

今回はそんな防食テープの巻き方とポイントを整理します。

防食テープの巻き方

鉄管やSUS管がコンクリートを貫通する場合には、貫通部をモルタルなどで穴埋めすることがほとんどですよね。

その場合、腐食対策として防食テープを巻くわけですが、その際にいくつか注意すべきポイントがあります。

 

まずは隙間無く巻くこと。少しでも隙間ができてしまうと途端にその部分から腐食が進みますから、これは徹底してください。

「そんなの当たり前だろ!」と思うかもしれませんが、太物を大急ぎで巻くような時についやってしまいがちですから。

 

次に竪管について注意すべきなのが「巻く方向」。以下のように下から上に巻き上げるようにします。

防食テープを下から巻くイメージ

※絵がとてもヘタクソですみません・・・

 

巻き上げますと、下のテープに上のテープが被さりますので、穴埋めをした際に、水の浸入を防ぐことがでるのです

防食テープの隙間から水が入り、ちょうど下のテープと上のテープが重なる箇所が顕著に腐食していた例もあるそうです。

 

ちょっとしたことですが、それで配管が少しでも長持ちするのであれば、ぜひ意識しておきたいところですね。

ちなみに、うるさい現場ではは2重巻き、つまり一方向から巻いたらまた逆から巻き戻すのですが、その場合も「上から下→下から上」というように巻くのが理想ですね。

配管での施工パターンとポイント

先にご紹介したスラブ貫通は防食テープを使う最たる例ですが、配管に防食テープを巻くのはその場合のみではありません。

他に防食テープを活用する場面やその他のポイントについてまとめます。

 

指示金物の絶縁に使う

鋼管とステンレス製の指示金物・ステンレス鋼管と亜鉛メッキ製の指示金物では、異種金属接触による腐食が発生する可能性があります。

腐食の理由については割愛しますが、この異種金属同士が接触しないようにするために防食テープを巻くのです。

鋼管とステンレス製のUボルトを絶縁するための防食テープ

 

最初から巻いておくのではなく、バンドをかけるその都度巻いていった方が効率的です。

 

他の配管やダクトなどの緩衝材として使う

規模のある建物になると、天井内はあらゆる配管・ダクト・電気配線などがひしめき合いますよね。

そうすると、吊りバンドの全ねじが他の配管やダクトに少し触れていたり、壁貫通部でスタッドに少し当たっていたりというのは日常茶飯事です。

 

そんな時に、干渉しそうな箇所、触れている箇所に防食テープをひと巻きしてあげると親切です

そうすれば、絶縁だけではなく緩衝材としての役割も担ってくれますからね。

 

巻くのを忘れて貫通させてしまったら?

ある程度経験のある職人でも、貫通部に防食テープを巻くのを忘れてしまうことはあります。

機械では無いので100%完璧はあり得ません。汗

 

で、忘れてしまった時にどうするかといえば、できるのは次のどちらかです。

 

  1. 貫通部の配管をバラして巻く
  2. 貫通させたまま縦方向に貼り付ける

 

すぐにバラせるならその方が良いですが、「もうこの貫通をバラすなんてムリ!」という場合には、スリーブの両側に構えて、縦方向に貼り付けながら1周貼っていくという技が有効です。

ただし、スリーブが長すぎる(200㎜くらいが限度)場合や、配管とスリーブとの隙間がほとんど無いような場合は厳しいでしょう。

 

高温で溶ける可能性あり

現場でよく使用する防食テープは、ものにもよりますが耐熱温度はせいぜい60°くらいです。

なので、それ以上の温度の何かが流れるような高温排水では、防食テープは溶けてしまうので使うことはできません

 

もちろん巻くのは自由ですが、ぐちゃぐちゃになって意味が無いので、テフロンテープを巻くなどの対処を考えましょう。

高価なテープですが、耐熱温度は300°です。

 

今回のまとめノート

今回は配管の腐食対策にはなくてはならない防食テープについてまとめました。

配管工なら必ず施工するものですから、基礎として押さえておいてください。

では、良い配管工ライフを!

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