配管ルートを考える時に「保温しろ」を考えると言うのは定石です。狭い箇所でも単に配管が通れば良いわけではなく、保温をした一回り大きな径が通らなければダメなんですね。中でも特に冷温水の配管は保温の厚みが給水の倍くらいありますから注意が必要です。
そもそもなぜ保温が厚いのか?
保温が厚けりゃ材料費も高いし場所もとるのに、厚くしなきゃならないのは単純な理由です。それが「断熱」です。基本的には周囲の温度の影響をなるべく受けないようにしなければならず、特に結露対策は重要です。冷温水は上水や中水に比べると、温度がかなり低い(高い)ですから、その分周囲との温度差も大きくなり、影響を受けやすいのです。
ちなみに、私がこれまでに聞いた中で最悪の事故の一つに、冷水配管の結露によって天井が抜けたという事例があります。温度が上がり湿気もたまる天井裏で、結露が水滴となり時間をかけてボードを侵食していったようです。天井が抜けるまではいかなくても、天井裏に潜った際に水滴の跡を見かけることはよくあります。
”厚い”ことによる注意点
さて、冷温水配管の保温が厚いということは分かりましたが、だからと言って特に気を付けることはあるのでしょうか。実際のところ保温をするのは保温やさんですから、材料がどうのこうのということはありませんが、冒頭にも言ったようにやはり「ルート選定」「使用するバンド」については注意が必要です。
単純に保温しろを確保するのもそうですし、スリーブやスラブ貫通部は保温も貫通しなければなりませんから、スリーブ入れやコア開けの際の径にも気を付けましょう。そしてバンドはスリーパーを使わなければならないのか、被覆付きの樹脂管だったら何Φのバンドを使うのかなど、使用する支持金物も事前にしっかりと把握しておいた方が良いですね。
ということで、今回は冷温水配管の保温厚について取り上げてみました。冷温水配管は種類的には空調配管に属しますから、もしかするとあまり触ったことがないという方もいるかもしれません。ちょっとしたことですが、意識出来た方が施行もスムーズかと思いますので、ぜひ頭に入れておいて頂けるとありがたいです。
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