【配管の墨出し】グリーンレーザーで超効率化できるパターン4選!

配管の通るルートを把握したい!
巻き出し配管で口の高さを正確に知りたい!

そんな時にとても頼りになるのが「レーザー」です。

 

レーザーは墨出し屋さんや大工さんのもののような気もしますが、ある程度規模の大きな配管になると、配管工にとってもなくてはならない存在。

例えば、新築のテナントビルや病院の共用トイレを配管する場合、以下のような使い方ができます。

 

  • 配管ルートに沿ってレーザーを当てて墨出しをする
  • 柱の腰墨に沿ってレーザーを当てて巻き出し配管の高さを測る
  • 竪管のスリーブが真っ直ぐ通っているかを確認する
  • 仕上がり面に沿ってレーザーを当て配管の納まりを確認する

 

これ以外にも色々と役に立つ場面がありますが、とにかく言えることは、レーザーを使うことで正確さを要する作業が簡単に短時間でできるということ

今回は、配管にレーザーを使って超効率化できるパターンを4つご紹介します。

 

なお、使用を想定しているレーザーは、鉛直ライン・水平ライン・鉛直ポイント・地墨ポイントが出せるもの。

そしてここ最近では主流となった「グリーンレーザー」です。

 

レーザーを使った基本的な墨出し方法

配管ルートの墨を出す基本的な流れを説明します。この流れさえ分かっていればほとんどの墨は出すことができます。

ポイントなのは、いくら墨出しといってもそこまで神経質にシビアに出す必要はないということ。

 

2、30㎜ずれていたらさすがに良くないですが、5㎜程度のズレまでは気にせずに、サクサク墨出ししていった方が良いです。

大事なのは配管することなので、墨出しにはなるべく時間をかけないのが理想ですからね。

 

ただし、少々のズレを許容できるのは、あくまでも天井配管のルートに限った話。

巻き出し配管などになれば、後々器具が付きますから、シビアな値を求められます。

 

通り芯を確認する

最初に「通り芯」を確認します。通り芯とは、柱と柱の中心を結んだ線のことで、ほとんどの建築物では格子状になっています。

配管図面の寸法はこの通り芯を基準に描かれています。

よって、まずは地面を見ながら「〇〇1,000返り」などと描かれた線を探し通り芯の位置を把握しましょう。(〇〇の部分は通り名です。例えばX1、Y2など。)

 

等距離の2点を出しレーザーを当てる

通り芯が確認できたら、実際に配管が通るルートを図面で確認し、寸法を把握します。

そして通り芯から2点ポイントをマーキングし、そこにレーザーを当てます。例えば、下図のような配管ルートのエルボ位置を出します。

天井配管の簡易的な図面

レーザーを使った墨出し 赤線がレーザー

上図はとても簡単な例でしたが、複雑な配管ルートでもこの手順を繰り返せば墨を出すことができます。

 

特殊なケース

実際の現場では、たくさんの作業を並行して進みますから、墨出しがスムーズにできないことの方が多いかもしれません。

そこで、Q&A形式で起こり得る状況と対処例を、いくつか挙げてみたので参考にしてください。

 

Q1.地墨が見当たらない

A.地墨は基本的に1mずらしたところに出ていますので、柱付近だけでなく広い視野で満遍なく探しましょう。それでも見当たらなければ、自分でどうにかしようとせずに、まずは監督さんに相談するべきです。

 

Q2.地墨が短くて使い物にならない

A.出ているけども短いという場合は、簡単なことです。レーザーを沿って当てて、必要な分だけ延長すれば良いでしょう。

 

Q3.材料や道具が邪魔で墨が出せない

A.材料や道具が邪魔になって墨が出せないという場合は、その持ち主の職人さんに断って移動するのが鉄則です。ただ、必ずしも墨を出さなければならないわけではないので、もし移動の方が手間になってしまうのであれば、その部分だけ墨なしで配管しても構いません。

 

Q4.地面が傾いていて光が出ない

A.レーザーが斜めになっていると、光が照射されません。脚に木などをかませて、できる限り水平設置しましょう。

グリーンレーザーで配管ルートの墨出し

レーザーを使ってできることのメインといえば、「墨出し」ですね。

では配管において墨出しする代表的なことといえば、やはり「配管ルート」でしょう。

 

配管ルートを墨出しすることは、平面図を有効利用し、配管効率を格段にアップさせることにつながります。

具体的には以下のページにまとまっていますので、ぜひ確認してみてください。

参考:配管をスピードアップさせるために1番いい図面の使い方

レーザーでアンカー位置を天井に出す

配管をスピードアップさせるために1番いい図面の使い方」のページでも触れているのですが、配管ルートを地面に出せるよになると、アンカー位置まで墨出しすることができます。

地墨として出したアンカー位置に、地墨ポイントを合わせてレーザーを置けば、天井に鉛直ポイントが出ますので、そこをマーキングするか直接アンカーを打てば良いわけです。

 

天井にアンカー墨を出す簡単な方法は、リンクのページに書いていますので、ご確認頂ければと思います。

天井や床が水平でないケース

天井配管では、吊りバンドなどの支持金物の取付けが必ず発生します。

その際には、レベルを一定に、もしくは勾配を確保していく必要がありますよね。

 

その際に、通常であれば天井や床の水平がとれていますから、そこを基準にすれば問題ありません。

しかし、時には天井や床が水平でない(あてにならない)ケースもあります

 

そのようなときは、レーザーを可能な限り配管に近い高さにセットし、水平ラインと比較しながらバンドのレベルを決めていきます。

上図は極端な例ですが、勾配天井(床)に気付かずにバンドを吊って大失敗するケースが結構ありますから、必ず天井や床が水平かを確かめる癖をつけた方が良いかと思います。

おすすめのグリーンレーザー

最後におすすめのグリーンレーザーをご紹介します。

 VOICE フルライン グリーンレーザー墨出し器 Model-G8」と言う製品。

 

グリーンレーザーとしては破格にも関わらず、機能や保証が充実していて、まさにコスパ最強です。

その特徴を簡単にまとめると以下。

 

  1. 圧倒的なコストパフォーマンス
  2. こだわり抜かれた5つの設計ポイント
    ①電源は大容量リチウムイオンバッテリーを採用
    ②スマホによる照射ライン切替機能
    ③明るさ調整機能を搭載
    ④ジンバル方式を採用
    ⑤タッチセンサースイッチを採用
  3. 性能を維持するための充実のアフターサービス

 

より詳しい紹介は以下のページでしていますので、クリックして読んでみてください。

レーザー選びで失敗したくないあなたへ

今回のまとめノート

レーザーは道具の中でも大変高価ですが、あると便利なのは間違いありません。最初は自分で用意できなくても、借りることができれば大丈夫。

今回は天井配管のシーンに合わせてまとめましたが、その他にも巻き出し配管や竪管の配管など様々なシーンで有効活用できます。

 

”良い道具”は持つことも大事ですが、使い方が伴っていなければ正に宝の持ち腐れとなってしまします。

便利なものはどんどん使って、このページにある内容を含め、自分なりの使い方を確立して頂ければ嬉しいです。

 

 

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14 件のコメント

  • 記事のほう参考になりました!ありがとうございます。またまた質問なのですが、現在学校の改修真っ只中で撤去が終わりコアが抜けてから配管なのですが汚水の場合シャフトの枝からやりかえで既存のスリーブを使って配管なのですが50分の1の勾配をとれたらとるらしいのです。こういった場合勾配ってどうやってあたるのでしょうか?やはり下からとりあえずスリーブに向って配管するのが無難ですかね?;;;;

    • マリオさん、お久しぶりです、コメントをありがとうございます。

      「シャフトの枝からやりかえ」ということは、竪管は残して(シャフト内の枝の途中から撤去)新規の枝をそこにつなぎこみということでしょうかね?
      そしてシャフトからの貫通部分は既存のスリーブを使うということだと思います。

      この場合、既存スリーブの大きさや既存管との接続方法、そしてスリーブと枝野位置関係に大きく影響されます。つまりそれらによって「どのくらい自由がきくか」が変わるわけですね。

      例えば接続がMDなら少しは角度がつけられるでしょうし、枝の位置が高くてスリーブも小さければ勾配をとることすらやっとという可能性もあります。

      このようなケースでは、やはりマリオさんのおっしゃるように、下(既存管との接続)からシャフトを抜けるまで、できる限り勾配を付けて配管するのが無難です。

      もし勾配を確保できないなら、スラブコア抜きの際に合わせて広たり新規に開けてもらったりできないか、斫って広げられるかなども視野に入れても良いかもしれません。
      その辺りは監督さんとも相談ですね!

      よろしくお願いします。

  • 返信ありがとうございます!すいません付け足すとシャフトの枝からスタートしたとしたら何度か曲がって8メーターぐらい行ったところに既存のスリーブがあるのです。泣
    そこを目掛けて配管するとしたらその既存のスリーブ芯に合わせるかそのスリーブに近づけてレーザーをセットする方法が楽で早いですかね?最悪は床から追うのが無難ですか?材料はトミジです!
    お忙しいのにすいません。。

    • そういうことだったんですね!よく分かりました。

      そのケースですと、マリオさんのおっしゃる通りです!
      出来れば結構伸ばせる三脚を使うか、鉄骨や残っている天井下地に板を渡すなどして、高い位置にレーザーをセットできるのが理想です。

      そして水平ラインをスリーブ芯か枝既存管の芯に合わせると分かりやすいかと思います。レーザーにもよりますが結構な広範囲(ここでおっしゃっている8mくらい)でも、よほど部屋が明るくなければ問題なくレーザーは届くはずです。

      改修工事だと床や天井がガチャガチャなことも多いので、レーザーが確実ですね!

      よろしくお願いします。

      • 流石です!ありがとうございます。日曜日から配管なのでやってみたいと思います助かりました(>_<)

  • お疲れ様です!記事のほうをいつも見返してるんですが、気になったことがあります。この配管ルートのレーザーの当て方なのですがエルボの芯にレーザーから出る下のポイントを合わせ、下から上流を1発で墨を出せるって解釈でいいんですかね?泣
    分かりにくいかもしれませんすいません⤵

    • マリオさん、毎度コメントありがとうございます!
      記事の例ですと、エルボの位置を出すために、レーザーで配管ルート上にラインを出しています。上の丸で囲われた赤い点がレーザーを置いている位置になります。
      縦方向の地墨から同じ距離(500)のもう1点にレーザーのラインを当て、その状態で横方向の地墨から600の位置がエルボになります。
      この”継手の位置を出す”作業を繰り返すことで、配管ルートを地面に出していこうということです。

      実際には継手から継手へ順々に墨を出していきますから、マリオさんのおっしゃる通り、エルボの芯に地墨ポイントを当て、そこからラインを出す流れになると思います。

  • こちらこそいつも丁寧な返信ありがとうございます!
    レーザーで矩をだすには2点に墨を出すってのが基本なんですかね?1点はレーザーの真下にでるポイントを合わせるものですか?それとも少し遠ざけて2点に当てるものなんですか?仲間内でレーザーをほぼ使わないで配管などをしていて最近効率よくやるためにも覚えたくて質問ばかりですいません泣
    あと色々な悪条件があり地面ではなくレーザーで天井に墨を2点だしてそれで矩をだすってのはありでしょうか?

    • マリオさん、とんでもないです!
      墨出しの基本はマリオさんのおっしゃる通りです。墨出し屋さんも2点基準に墨壺をハジきます。
      レーザーの場合は1点をレーザーの真下に出るポイントに合わせ、もう1点はラインがハッキリ見える範囲でできるだけ離した方が良いかと思います。
      それから、もし天井がごちゃごちゃしていなければ、天井に墨を出すのは全然アリです!むしろ実はその方が良いです。地面に墨を出すと、寸法が測りやすいという利点はありますが、現場ではホコリをかぶってしまったり、物を置かれてしまったりして使い物にならないこともありますからね・・・(汗)

      • ありがとうございます!幅が広がりました!会社にホコリかぶってるレーザーがあるのでガンガン使いたいと思います(笑)

  • お疲れ様です!
    1人作業で高車や脚立に乗り、天井配管を速く綺麗にやるにはどうすればいいのでしょうか?かなり漠然としていてすみません。。1人作業の時でもLやLTの地墨、アンカー墨もだしていますか?
    2人で別れて配管するよりもペアで配管した方が最終的にトータルするとペアの方が速く終わるんじゃないのかな?とも思えてきました。
    記事にもありましたが墨出しに時間をかけすぎないとありましたが1人だと結構時間がとられてしまいます。。1人で2倍の仕事が出来るようになりたいです泣
    何か御教授下さい宜しくお願い致します( .. )

    • マリオさんお疲れ様です。
      そうですね、結論から言いますと、1人作業の時に全ての地墨を出すのはあまり有効ではありません。

      なぜなら、墨出し自体に時間がかかるのはもちろん、「同じ作業をまとめて分担できる」メリットを享受できないからです。
      例えば、1人が墨出しを先行し追っかけでアンカー打ちとバンド吊り、1人がまとめて加工してもう1人が配管、みたいなことができないわけです。

      そこで、1人作業の時によくやる方法としては、起点となるポイントにレーザーを出し、点灯させたままアンカー打ち・バンド吊りをやる方法です。
      この時に配管ルートだけは地面に出しておいた方が後々寸法取りが楽です。

      まずはバンド関係を終わらせる→ある程度寸法を取って加工→配管、という感じであまり広範囲にならない程度で終わらせていくのが基本になるかと思います。

      正直なところ配管においては1人作業はとても非効率でして、2人でやれば軽く3倍くらいのパフォーマンスは出るはずです。
      (よほど仲が悪いとか1人が新人で何も分からないとかでない限りですが)

      なのである程度規模のある天井配管は、マリオさんがおっしゃるように2人でやった方が速いでしょう。
      逆に、ちょっとした巻き出し配管や、ぶん伸ばしの天井配管などは1人でも2人でも大差無いかもしれません。

      • お疲れ様です!毎度的確な返信ありがとうございます( .. )文面だけなのに納得出来てスッキリできるってdongoriさんの知識、技術があっての事だと思うのでとても尊敬します。。
        冷媒、ダクト屋さんと設備は他にもありますが独立して稼いでいくとなったら衛生は仕事のキまりも悪く、あまり効率的ではないと思うのですがdongoriさんはそれでも配管工をやりますか?

        • マリオさん、お疲れ様です。
          こちらこそありがとうございます。嬉しいです!

          確かに衛生配管は決まりが悪いことも多いですよね。汗
          供用トイレ1つ取っても、「天井配管→巻き出し配管→器具付け」みたいにその度に待ちや追われる作業が発生します。

          私自身は配管が好きですから配管工という仕事については誇りを持っています。

          ただ、職人の評価や給与面への反映などは疑問に思うことも多いので、その辺りは正直考えどころですね。

          現在は子供もいて家族が何よりも大切なので、将来的には家族との時間を最優先できる仕事がしたいと思っています。

          私の場合はそんな感じです。

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