レーザーをうまく使って天井配管をスピードアップ!

配管の通るルートを把握したい! 巻き出し配管で口の高さを正確に知りたい! そのような時にとても頼りになるのが「レーザー」です。レーザーは墨出し屋さんや大工さんのもののような気もしますが、ある程度規模の大きな配管になると、なくてはならない存在です。例えば、新築のテナントビルや病院の共用トイレを配管する場合、以下のような使い方ができます。

  • 配管ルートに沿ってレーザーを当てて墨出しをする
  • 柱の腰墨に沿ってレーザーを当てて巻き出し配管の高さを測る
  • 竪管のスリーブが真っ直ぐ通っているかを確認する
  • 仕上がり面に沿ってレーザーを当て配管の納まりを確認する

これ以外にも色々と役に立つ場面がありますが、とにかく言えることは、レーザーを使うことで、正確さを要する作業が簡単に短時間でできるということです。

今回は、配管にレーザーを使うにあたっての基本的な内容を、天井配管のシーンに合わせてまとめてみたいと思います。

なお、使用を想定しているレーザーは、鉛直ライン・水平ライン・鉛直ポイント・地墨ポイントが出せるものです。ほとんどのレーザーが対応していて、具体的な製品例を挙げるならば、「パナソニック レーザーマーカー 墨出し名人」です。詳細については、最後の部分で紹介していますので、ぜひ確認して見てください。

1.配管ルートの墨出し

レーザーを使ってできることのメインといえば、「墨出し」ですね。では配管において墨出しする代表的なことといえば、やはり「配管ルート」ではないでしょうか。

配管ルートを墨出しすることは、平面図を有効利用し、配管効率を格段にアップさせることにつながります。具体的には以下のページにまとまっっていますので、ご確認ください。

配管をスピードアップさせるために1番いい図面の使い方

2.基本的な墨出し方法

配管ルートの墨を出す基本的な流れを説明します。この流れさえ分かっていればほとんどの墨は出すことができます。

注意したいのは、いくら墨出しといっても、そこまで神経質にシビアに出す必要はないということです。2、30㎜ずれていたらさすがに良くないですが、5㎜程度のズレまでは気にせずに、サクサク墨出ししていった方が良いです。大事なのは配管することですから、墨出しにはなるべく時間をかけないのが理想です。

ただし、あくまでもそれは天井配管のルートに限った話です。巻き出し配管などになれば、後々器具が付きますから、シビアな値を求められます。

2-1 通り芯を確認する

最初に「通り芯」を確認します。通り芯とは、柱と柱の中心を結んだ線のことで、ほとんどの建築物では格子状になっています。

配管図面の寸法はこの通り芯を基準に描かれていますから、まずは地面を見ながら「〇〇1,000返り」などと描かれた線を探します。(〇〇の部分は通り名です。例えばX1、Y2などです。)

2-2 等距離の2点を出しレーザーを当てる

通り芯が確認できたら、実際に配管が通るルートを図面で確認し、寸法を把握します。そして通り芯から2点ポイントをマーキングし、そこにレーザーを当てます。例えば、下図のような配管ルートのエルボ位置を出します。

天井配管の簡易的な図面

レーザーを使った墨出し 赤線がレーザー

上図はとても簡単な例でしたが、複雑な配管ルートでもこの手順を繰り返せば墨を出すことができます。

2-3 特殊なケース

実際の現場では、たくさんの作業を並行して進みますから、墨出しがスムーズにできないことの方が多いかもしれません。そこで、Q&A形式で起こり得る状況と対処例を、いくつか挙げてみたいと思います。

Q1.地墨が見当たらない

A.地墨は基本的に1mずらしたところに出ていますので、柱付近だけでなく広い視野で満遍なく探しましょう。それでも見当たらなければ、自分でどうにかしようとせずに、まずは監督さんに相談しましょう。

Q2.地墨が短くて使い物にならない

A.出ているけども短いという場合は、簡単なことです。レーザーを沿って当てて、必要な分だけ延長すれば良いでしょう。

Q3.材料や道具が邪魔で墨が出せない

A.材料や道具が邪魔になって墨が出せないという場合は、その持ち主の職人さんに断って移動するのが鉄則です。ただ、必ずしも墨を出さなければならないわけではないので、もし移動の方が手間になってしまうのであれば、その部分だけ墨なしで配管しても構いません。

Q4.地面が傾いていて光が出ない

A.レーザーが斜めになっていると、光が照射されません。脚に木などをかませて、できる限り水平設置しましょう。

3.アンカー位置を天井に出す

配管をスピードアップさせるために1番いい図面の使い方」のページでも触れましたが、配管ルートを地面に出せるよになると、アンカー位置まで墨出しすることができます。

地墨として出したアンカー位置に、地墨ポイントを合わせてレーザーを置けば、天井に鉛直ポイントが出ますので、そこをマーキングするか直接アンカーを打てば良いわけです。

天井にアンカー墨を出す簡単な方法は、リンクのページに書いていますので、ご確認頂ければと思います。

4.天井や床が水平でないケース

天井配管では、吊りバンドなどの支持金物の取付けが必ず発生します。その際には、レベルを一定に、もしくは勾配を確保していく必要があります。通常であれば、天井や床の水平がとれていますから、そこを基準にすれば問題ありません。

しかし、時には天井や床が水平でない(あてにならない)ケースもあります。そのようなときは、レーザーを可能な限り配管に近い高さにセットし、水平ラインと比較しながらバンドのレベルを決めていきます。

上図は極端な例ですが、勾配天井(床)に気付かずにバンドを吊って大失敗するケースが結構ありますから、必ず天井や床が水平かを確かめる癖をつけた方が良いかと思います。

5.オススメのレーザー

冒頭にご紹介した「Panasonic(パナソニック) レーザーマーカー 墨出し名人」をご紹介します。

タイプは十文字と一文字の2種類ありますが、オススメは断然に十文字タイプです。なぜなら、横の線が出るだけで、使い方のバリエーションが大幅に増えるからです。

とにかくこの製品の良いところは、驚くほど軽量で小型なため、気軽に持ち運びができ狭小箇所でも使いやすいことです。また、一般的な名の知れたメーカーのレーザーに比較すると、高い方の十文字タイプでもかなり安価です。

使い方はとてもシンプルで、三脚部分を開きスイッチを入れれば、全てのラインとポイントが照射されます。多少の傾斜であれば、自動補正してくれます。(補正範囲を超えると光が出ません)

逆にイマイチだと思う点としては、単三電池一本を動力としているため、長時間使用には向かず、容量がなくなってくるとラインが薄くなってかなり見にくくなります。この点はこまめにスイッチを消すことで、ある程度は電池の持ちをよくできます。私としては気軽に交換できるので、むしろ使いやすいと感じています。

また、小型である分、光の強さや届く距離は小さく、明るくて広い部屋ではパワー不足を感じます。この点だけは、納得した上で使うしかないと思います。

そしてレーザーの命とも言える精度ですが、可もなく不可もなくといった程度かと思います。精度が悪いという評価もあるようですが、距離が近ければ問題ありません。実際の現場でも、これまでに精度によるズレが問題になったことはありません。

1点だけ現場で必ず注意して頂きたいことは、保管方法です。ケースに入っていてもかなりコンパクトなため、価値の分かる悪い人はスキを見て持っていってしまいます。休み時間に入る前に、ちょっとそこら辺に置いておくなどは絶対にやめましょう。もし購入された場合は、くれぐれもこの点だけは忘れないでください。

まとめ

レーザーは道具の中でも大変高価ですが、あると便利なのは間違いありません。最初は自分で用意できなくても、借りることができれば大丈夫です。今回は天井配管のシーンに合わせてまとめましたが、その他にも巻き出し配管や竪管の配管など様々なシーンで有効活用できます。

”良い道具”は持つことも大事ですが、使い方が伴っていなければ正に宝の持ち腐れとなってしまします。便利なものはどんどん使って、このページにある内容を含め、自分なりの使い方が確立して頂ければ嬉しいです。

スポンサーリンク

10 件のコメント

  • 記事のほう参考になりました!ありがとうございます。またまた質問なのですが、現在学校の改修真っ只中で撤去が終わりコアが抜けてから配管なのですが汚水の場合シャフトの枝からやりかえで既存のスリーブを使って配管なのですが50分の1の勾配をとれたらとるらしいのです。こういった場合勾配ってどうやってあたるのでしょうか?やはり下からとりあえずスリーブに向って配管するのが無難ですかね?;;;;

    • マリオさん、お久しぶりです、コメントをありがとうございます。

      「シャフトの枝からやりかえ」ということは、竪管は残して(シャフト内の枝の途中から撤去)新規の枝をそこにつなぎこみということでしょうかね?
      そしてシャフトからの貫通部分は既存のスリーブを使うということだと思います。

      この場合、既存スリーブの大きさや既存管との接続方法、そしてスリーブと枝野位置関係に大きく影響されます。つまりそれらによって「どのくらい自由がきくか」が変わるわけですね。

      例えば接続がMDなら少しは角度がつけられるでしょうし、枝の位置が高くてスリーブも小さければ勾配をとることすらやっとという可能性もあります。

      このようなケースでは、やはりマリオさんのおっしゃるように、下(既存管との接続)からシャフトを抜けるまで、できる限り勾配を付けて配管するのが無難です。

      もし勾配を確保できないなら、スラブコア抜きの際に合わせて広たり新規に開けてもらったりできないか、斫って広げられるかなども視野に入れても良いかもしれません。
      その辺りは監督さんとも相談ですね!

      よろしくお願いします。

  • 返信ありがとうございます!すいません付け足すとシャフトの枝からスタートしたとしたら何度か曲がって8メーターぐらい行ったところに既存のスリーブがあるのです。泣
    そこを目掛けて配管するとしたらその既存のスリーブ芯に合わせるかそのスリーブに近づけてレーザーをセットする方法が楽で早いですかね?最悪は床から追うのが無難ですか?材料はトミジです!
    お忙しいのにすいません。。

    • そういうことだったんですね!よく分かりました。

      そのケースですと、マリオさんのおっしゃる通りです!
      出来れば結構伸ばせる三脚を使うか、鉄骨や残っている天井下地に板を渡すなどして、高い位置にレーザーをセットできるのが理想です。

      そして水平ラインをスリーブ芯か枝既存管の芯に合わせると分かりやすいかと思います。レーザーにもよりますが結構な広範囲(ここでおっしゃっている8mくらい)でも、よほど部屋が明るくなければ問題なくレーザーは届くはずです。

      改修工事だと床や天井がガチャガチャなことも多いので、レーザーが確実ですね!

      よろしくお願いします。

      • 流石です!ありがとうございます。日曜日から配管なのでやってみたいと思います助かりました(>_<)

  • お疲れ様です!記事のほうをいつも見返してるんですが、気になったことがあります。この配管ルートのレーザーの当て方なのですがエルボの芯にレーザーから出る下のポイントを合わせ、下から上流を1発で墨を出せるって解釈でいいんですかね?泣
    分かりにくいかもしれませんすいません⤵

    • マリオさん、毎度コメントありがとうございます!
      記事の例ですと、エルボの位置を出すために、レーザーで配管ルート上にラインを出しています。上の丸で囲われた赤い点がレーザーを置いている位置になります。
      縦方向の地墨から同じ距離(500)のもう1点にレーザーのラインを当て、その状態で横方向の地墨から600の位置がエルボになります。
      この”継手の位置を出す”作業を繰り返すことで、配管ルートを地面に出していこうということです。

      実際には継手から継手へ順々に墨を出していきますから、マリオさんのおっしゃる通り、エルボの芯に地墨ポイントを当て、そこからラインを出す流れになると思います。

  • こちらこそいつも丁寧な返信ありがとうございます!
    レーザーで矩をだすには2点に墨を出すってのが基本なんですかね?1点はレーザーの真下にでるポイントを合わせるものですか?それとも少し遠ざけて2点に当てるものなんですか?仲間内でレーザーをほぼ使わないで配管などをしていて最近効率よくやるためにも覚えたくて質問ばかりですいません泣
    あと色々な悪条件があり地面ではなくレーザーで天井に墨を2点だしてそれで矩をだすってのはありでしょうか?

    • マリオさん、とんでもないです!
      墨出しの基本はマリオさんのおっしゃる通りです。墨出し屋さんも2点基準に墨壺をハジきます。
      レーザーの場合は1点をレーザーの真下に出るポイントに合わせ、もう1点はラインがハッキリ見える範囲でできるだけ離した方が良いかと思います。
      それから、もし天井がごちゃごちゃしていなければ、天井に墨を出すのは全然アリです!むしろ実はその方が良いです。地面に墨を出すと、寸法が測りやすいという利点はありますが、現場ではホコリをかぶってしまったり、物を置かれてしまったりして使い物にならないこともありますからね・・・(汗)

      • ありがとうございます!幅が広がりました!会社にホコリかぶってるレーザーがあるのでガンガン使いたいと思います(笑)

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です