ステンレスとの異種金属接合になるケースと対処法のまとめ

「この前の〇〇マンションの漏水事故、給水配管の接続部分がボロボロだったらしいよ・・・」
「なんか“いしゅきんぞくせつごう”だかなんだかが原因だとか言ってたなぁ」

このような会話を聞くと、配管工としてはビクッとしてしまいますが、実際にはとても身近なことです。

日々配管をする中で「異種金属接合腐食」という単語はよく出てきますし、検査でも「しっかりと絶縁できているか」を見られることは多いです。中でも最も(というよりほとんどのケースで)関わってくるのがステンレスです。

ステンレス鋼管はもちろん、支持金物も外部であればステンレス製になりますから、何かと異種金属接合腐食対策、つまり絶縁処理が必要になってくるのです。

そこで今回は、ステンレス鋼(管)と絶縁処理しなければならないケースと、その絶縁方法についてまとめます。

この記事の内容を意識して配管していただくことで、絶縁処理のし忘れや異種金属腐食の可能性は限りなく低くなります。

そもそも異種金属接合腐食ってなに? という方は、ベンカンさんの読みやすい記事がありますので、ご確認ください。

ガルバニック腐食(BENKAN)

1.ステンレス(サス)と絶縁処理しなければならないもの

いざ絶縁処理と言っても、どのような金属(管材)が、ステンレスと絶縁しなければならないのでしょうか?

ステンレス協会さんの資料(外部リンク)によりますと、ステンレス鋼(管)と絶縁が必要なのは以下です。

  • 塩化ビニルライニング鋼管
  • 亜鉛めっき鋼管(白ガス管)
  • 黄銅
  • 鋳鉄

これらを見ると、給水配管や消火配管でよく使う“鉄管類”がNGであることが分かります。これは、管や継手同士の接続はもちろん、鉄管をステンレス鋼で支持する場合も含まれます。

2.配管の接続に関連するケース

白ガス管やVB管とステンレス鋼管を接続するケースでは、絶縁継手を使うかフランジ同士を接続するかに分かれます。

また、ポンプや空調機からのタッピング(雌ねじ・フランジなど)との絶縁が必要なケースもあります。

2-1 鉄管とステンレス鋼管を接続する

継手の中で最も使用されるのは、絶縁ユニオンです。絶縁ユニオンは実に様々な種類があり、管の種類や接続方法(ナイスジョイント・Z-lok・ねじ込みなど)によって使い分けます。

ナイスジョイント用

ねじ込み用:オーエヌ工業

他にも、管端防食継手には、メーカーによって絶縁継手が用意されています。

日立金属:管端防食継手カタログより抜粋

2-2 フランジによる接続

ステンレス製のフランジと、炭素鋼製やナイロンコートのフランジを、ボルトナット(ステンレス)を使用して接続するケースです。

この場合、ボルトナット部分に絶縁スリーブ絶縁ワッシャーを使用します。これらは絶縁素材(テフロン・FRP・ガラス)でできており、ボルトに通してステンレスと絶縁します。

出典:協栄ネジ株式会社

使い方については、ステンレス協会さんの資料にすごく分かりやすい図がありましたので、参照させていただきます。

図の参照元:ステンレス鋼管と異種金属とを接続する場合の絶縁施工について

抜粋元の資料はとても参考になりますから、ぜひご一読することをオススメします。

2-3 機械からのタッピングとの接続

排水ポンプやグリストラップなどはステンレス製のものが多いです。接続用のタッピングもほぼステンレスと考えて良いでしょう。

タッピングの形式は、雌ねじになっていることもありますし、フランジになっていることもあります。

接続は「2-1 鉄管とステンレス鋼管を接続する」「2-2 フランジによる接続」と変わりませんので、各項目を参考にしてください。

3.指示金物との絶縁

水場や外部、ピットについては、支持金物としてステンレス製を使用します。逆に内部や隠蔽箇所については鉄鋼製(亜鉛めっき含む)を使用します。

ということは、「鉄管類とステンレス製支持金物」「ステンレス鋼管と鉄製支持金物」の絶縁をする必要があるわけです。

3-1 鉄管類をステンレス鋼で支持する場合

よく行う絶縁方法としては、防食テープを使用することです。吊りバンド・立てバンド・Uボルトなどの支持金物と、配管が接触する部分に防食テープを巻くのです。

この方法には、次の注意点があります。

①配管しながらその都度やらないと、後からではかなりやりにくくなります

②防食テープを巻きすぎると、バンドが閉まらなく(閉めにくく)なります

また、鉄管用のデップ吊りバンドやUボルトもありますが、ほとんど使うことはないでしょう。


3-2 ステンレス鋼管を鉄鋼で支持する場合

ナイスジョイントやZ-lokで知られる薄肉ステンレス鋼管の支持には、デップ製を使用します。

デップ製を使っていれば、金属同士が接触しない構造になっていますから、まず絶縁を意識する必要はありません。

厚肉ステンレス鋼管では、吊りバンドや立てバンドはステンレス製を使うと考えてよいです。それ以外だとハヤウマやアングルとUボルトを使った支持が考えられますが、こちらは鉄管類と同様に防食テープを使用することが多いです。

今回のまとめノート?

配管をする上で、ステンレスとの絶縁処理は結構多いです。ステンレスとの異種金属接合となるのは、大きく分けると以下の2つ。

  1. 配管同士の接続
  2. 配管と支持金物の接触

絶縁処理の方法はパターンが決まっていますし、施工も難しいことは何もありません。

とにかく、処理を忘れてしまうと後々とても面倒ですから、ステンレスという単語が出てきたら、ちょっと敏感になろうくらいの気持ちでいれば大丈夫です。

では、良い配管工ライフを!

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です