衛生配管に関わる人ならナイスジョイントは1度は施工した事があるかと思います。私もこれまでに幾度となく配管して来ました。その中でやはり何度か漏水が起こってしまったのですが、ほとんどのケースで原因は同じ、言い換えればそれをやってしまうと確実に漏れると言う“ミス”が私の中ではっきりして来ました。そこで今回は「これをやったら確実に漏れる ナイスジョイント編」としてこれまでの施工経験から得た内容を共有できればと思います。
拡管不足
ナイスジョイントの拡管機には各サイズのゲージが入っており、作業開始時には必ずしっかり拡管出来ているかを確認します。ただ、その時点ではOKでも以下のような原因により拡管不足になる事があります。
☑️拡管時間が短い
拡管機にはそれぞれ適切な拡管時間があります。音が変わったりブザーが鳴ったりすることで拡管終了の合図となるわけですが、周りがうるさかったり何本も加工するうちにちょっと気を許してしまったりで、拡管不足になってしまう事があります。
☑️ゴムが寿命
このゴムというのは、拡管機側に付いているもので大変重要な役割を果たしています。
※上写真の赤丸部分に下写真のようなゴムが付いています
このゴムにも寿命があり、古いものを使い続けると、まず管を挿し外ししにくくなりますし、どれだけ拡管しても拡管不足になります。
☑️電池残量の不足(ポータブル)
25Aまで拡管可能な充電式の拡管機で、電池残量の不足により拡管不足になる事があるようです。もちろん拡管中に電池切れになったらアウトですね。同様にコード式でも他の機械を同時使用してたりすると電圧低下により同様の事態を招く可能性があります。
ただ、この拡管不足というのは、理由に関わらずパイプレンチで締めこもうとすると、締まりが悪いという違和感がありますから、大概は配管時に気付くケースが多いです。そして気付いたらゴムを変えるなどして再度拡管すれば大丈夫です。
パッキンのよじれ
配管時には継手に拡管したパイプを挿し込んで締め込むわけですが、ごく稀にパッキンが潰れてしまったりよじれてしまうことがあります。潰れたりよじれたパッキンがどのようになってしまうかと言いますと、下の写真のようになります。

こうなると当然ですが120%漏れます(汗)普通はよく確認しながら配管しますからまず起こり得ないことでも、管端にバリが少し残っていたりすごく焦っていたりするとやらかしてしまう事もあるのです。この点については「確実な挿入」を徹底するしかありません。
締め忘れ
これは言うまでもありませんね。継手に管を挿して手締めしてそのまま忘れ去られるケースです。締め忘れを防ぐために継手にゲージが入っているのであり、マーキングをしたりするわけですから、確認を怠らないようにするしかありませんね。
ちなみに締め忘れでタチが悪いのは、水を通しただけでは漏らずに圧をかけて初めて漏れるケースがあることです。つまり空圧や水圧をかけなければ漏れに気がつかない事もあるのです。これは大変恐ろしいことです・・・
逆を言えば他の全てのケースを含め、圧をかければ確実に漏れている箇所は発見できます。どんなに工程が厳しくても煽られてもテストをすれば”ダメ”は潰せます!今回の記事のような内容を頭に入れながら加工・配管を行い、確実にテストをかけることで漏水事故はまず起こらないと思います。日々の作業の参考にして頂けると嬉しいです。
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