大手の新築工事や都営住宅などでは、排水配管のテストといえば満水テストになります。その名の通り管を水で満たすわけですが、そのためにはどこかで水を塞き止めておく必要があり、風船(下写真)やMDの満水継手(COS-T)が使用されます。
満水テストの概要については以下の記事を参考にしてください。
風船と継手
風船は空気を入れるだけで良いものの、ホースや空気入れを段取ったり膨らませる位置を調整したりと何かと手間がかかります。水を抜く際も一気に水が流れるため、風船とホースの接続部が破損したり水流による衝撃が大きかったりといったリスクもあります。水を抜くときにDV継手のCOが吹っ飛ぶこともあるくらいですから。
その点で便利なのが掃除口を兼ねたMDのCOS-T継手です。
この継手は正面のボルトを外して蓋を開け、下写真のような「満水治具」をセットしてあげるだけで簡単に止水できます。水を抜く際は中央のボールバルブをひねってあげれば緩やかに抜くことが可能です。(時間はかかります)
継手の欠点
さて、今回お伝えしたかった、というよりはどうにかしたいと思っているのは、このCOS-T継手の仕組みです。それはズバリ
下側のフランジ(接続部)にテストがかけられない!
ということです。図で説明しますと以下のようになります。
真ん中の階とその上の階にテストをかけても、イラストの通りCOS-Tの下側にはテストがかかりません。これはCOS-Tが最大水位より高いので当たり前なのですが、そのためにすべての口にプラグをするなどは現実的ではありませんし、結局は風船を使って下側のフランジ部のみテストをかけることになってしまいます。
正直なところ、大手の新築(民間)では黙認される(?)ことが多いのですが、都営住宅など厳しい現場ではそうはいきません。きっちりと下側のフランジまでテストをかける必要があります。そうなると満水治具も風船も両方使うよりは、最初から風船を使ってCOS-T継手よりも下の位置にセットすることで一気にテストしてしまった方が良いかもしれません。
というわけで、満水治具をセットしてテストするだけで完結する継手があったらいいなぁと考えているわけですが、おそらく無理でしょう・・・
ちなみにCOS-T継手の下側のフランジだけテストをかける場合でも、竪管の数だけ『風船のセット→注水→写真→放置→写真→水抜きと片付け』を繰り返すことになりますからかなりの時間を要します。ですから、私のように継手の仕組みに文句を言う前に、下側のフランジまでかけるなら風船を使うことをお勧めします。
自分は新人配管工で、まだまだ知らないことも多くミスも多いのですが、今日初めてこのブログを見てすごく勉強になりました。
本当にありがとうございます。
きっと自分の様にこのブログに助けられた人が沢山いると思うので是非これからも続けてほしいです。
乱文すいません
コメントありがとうございます!大変嬉しいです!
私もまだまだ青二才なので毎日がチャレンジですが、その中で感じた事や勉強になった事をたくさんの人と共有できればと思い、このブログを書いています。
これからもがむしゃらに続けていきますので、よろしくお願いします!