配管工なら絶対に揃えておくべき腰道具7選

職人たるもの、毎日使う腰道具にはこだわりを持ち、お気に入りのものを使って楽しく仕事をしたいですよね。

配管工にとって腰道具はなくてはならない存在であり、腰道具無くして配管を行うことはできません。

 

例えばスケール(コンベックス)がなければ寸法を正確に測れませんし、モンキーがなければナットの1つも締付けられませんし、水平器がなければ排水配管を図面通りに行うのは不可能でしょう。

ただ、腰道具のほとんどは数千円以上しますから、あれもこれも買い揃えて使って比較するなんてことは、とてもじゃないけど無理な話ですよね。

 

また、値段もピンキリで種類もたくさんある中から自分に合ったものを探すのは、難しいし面倒なのではないでしょうか。

それでも、毎日酷使する必須の腰道具ですから、できる限り不要なものは買わずに、末長く付き合えるものを選びたいもの。

 

そこで今回は、これまでの経験や職人仲間からのヒヤリングを元に、絶対に持っておくべき腰道具7選と、その中で自信を持っておすすめできる商品をご紹介します。

ここで紹介する7つは、使用頻度が高いので常に〇〇差しや腰袋に入れておいてください!

 

配管工の腰道具1 「スケール」

腰道具の中でもスケール(コンベックス)は必須度ダントツのNo. 1であり、これに異を唱える方はいないと思います。

私の周りにはよく、すぐ壊れたり失くすから安いものを買っているという人がいるのですが、これはまったくおすすめしません。

 

なぜなら、機能や性能はもちろんのこと、しっかりとしたものを普通に使っていればかなり長く使えて結果的には安上がりですし、使った分だけ手に馴染むからです。

オススメは以前にご紹介した、「タジマ 剛厚スパコン」です。値段は少し高いですが、剛厚とスパコン両方のメリットがあります。紹介ページはこちらからご確認ください。

参考:スパコンと剛厚のいいとこ取りスケール

 

私はこの剛厚スパコンを丸2年使っていますが、使用感はかなりあるもののラベルの状態や巻き取り、外観に到るまで、なんら問題なく使用できています。(以下の写真は実際に使っているものです)

剛圧スパコンの使用感

 

断言しますが、ハードな現場で2年使い続けられるスケールはかなり限られますから、損はしませんよ。

 

配管工の腰道具2 「ドライバー」

配管ではビスを扱う機会が非常に多いですから、ドライバーも必須です。

配管自体に使わなくても、扉・器具の付け外しや止水栓の操作など、様々なケースが考えられます。

 

特に特殊な先端のものは必要なく、普通のプラス(2番)とマイナス(6番)があれば大丈夫ですよ。

 

Vessel ボールグリップ 差替え

プラスとマイナスを別々に持ってもよいのですが、おすすめなのは差替えタイプ

なぜなら、差替えにすれば1本で済みますし、場合によっては他のビット(プラスの1番や3番、ボックス、下穴用のキリなど)を取付けて使用可能だからです。

 

私が長年使っているボールグリップは、とても長い歴史のある製品で、手によく馴染む形状をしていて滑りにくく、回すという動作が非常にやりやすいです。

配管工の腰道具3 「モンキーレンチ」

配管作業をしていると、支持金物やMD継手などの六角ボルト・ナットを扱う機会も非常に多いです。

モンキーを1つ持っておけばあらゆるサイズ(モンキーの許容サイズ)のボルト・ナットを締付けることができます。

 

もちろん大きさによって締付けるパワーは変わってきますから、適材適所のサイズを選ぶのが理想ですが、腰道具としてはオーソドックスなサイズを持っておけば良いでしょう。

 

TOP ショートワイドエコ HY-38S

配管作業では10㎜~30㎜くらいまでを扱え、できるだけ軽いものがおすすめです。

サイズが丁度よく、コンパクトなのにグリップが付いていてしっかりと握れるのが、「トップ(TOP) ショートワイドエコモンキー」です。

 

サイズがいくつかあり、私は配管工を始めた時からHY-38Sというタイプを使い続けています。以下に紹介ページがありますので、確認してみてください。

使い勝手のよいモンキーレンチ

 

TOP 薄型軽量ワイド

先にご紹介のショートワイドエコモンキーでは、持ち手の部分が短くてどうしても力が入りにくい、という方には持ち手が長めの薄型軽量タイプがおすすめ。

軽いのはもちろん、持ち手に大きめの穴が開いていますから、〇〇差しに入れる以外にもカラビナフックに直接ぶら下げることも可能です。

 

配管工の腰道具4 「水平器」

勾配を取らなければならない排水配管に限らず、水平器を使う場面は多いですよね。

例えば給水配管でも水平を見なければなりませんし、支持金物を水平設置(垂直設置)する場合などでは必須。

 

水平器には大きく分けて磁石あり・なしの2つのタイプがありますが、金物や鉄管にくっつけて使えるので磁石ありのタイプがおすすめです。

磁石部分にゴミが付いていると正確に水平が出ませんので、その点だけは注意してください。

 

エビス G-トレンディレベル 超強力磁石付 ED-15GTLMB ブラック

水平器といえば、まずエビス製のものを使っていれば間違いありません。中でもこのトレンディレベルは配管に特化した作りになっています

まず長さが150㎜と絶妙で、両サイドがシェイプされているため、〇〇差しに入れていても邪魔にならず大変出し入れしやすい形状。

 

目盛りはもちろん45度付きで、上下共にV溝になっているので、配管にフィットしやすくなっています。

そして磁石は超強力ですから鉄管や金物に付けた際の安定感は抜群ですよ。

 

注意しなければならないのは、高所から落として先端からぶつかると、真ん中からパックリと割れてしまう可能性があること。

ゴム素材のカバーがほとんどの衝撃を吸収してはくれますが、高所での作業時は気をつけましょう。

 

 

タジマ モバイルレベル

材質やデザインも重視して選ぶならタジマのモバイルレベルでしょう。

値段は高くなりますが、何と言ってもその重厚感や高級感は他の製品にはないものとなっています。大きめのフック穴が付いていますから、カラビナフックに掛けやすい作りになっているのも嬉しいです。

 

こちらの製品も磁石はかなり強力。45度計が付いていない、よりコンパクトなサイズのものもありますが、配管では45度継手をよく使いますから、やはり付いているものを選択するべきでしょう。

配管工の腰道具5 「プライヤー」

プライヤーはモンキーレンチとは異なり、掴む部分がギザギザになっているため、丸いもの(ビス・全ネジ・メッキ管など)を掴んだり、平たい形状のものを潰したり、番線をよじったりと多用途に使えます。

配管においては、ウォータポンププライヤー(カラスとも呼ばれる)という、くわえる部分と持ち手の部分とに角度が付いた形状のものがおすすめ。

 

これは、くわえ幅の調整範囲が広く力が入れやすいのと、配管でよく使うナットを掴みやすい形状になっているからです。

 

KingTTC 三枚合わせウォーターポンププライヤー

いきなり三枚合わせと言われてもピンと来ないかと思いますので、以下の紹介ページをご確認してみてください。

参考:三枚合わせウォーターポンププライヤー

 

上記紹介ページに1点付け加えたいこととして、「〇〇差しへの収納しやすさ」があります。

具体的には、以下のように最大に広げた状態で〇〇差しへスッキリと収納できるのです。

実際に使用している3丁差しのイメージ

三枚合わせの製品は他のメーカーからも出ていますが、開閉の構造や持ち手に付いているラバーの関係でこのような収納はできません。やはり携帯しやすいというポイントは大きいですね。

 

配管工の腰道具6 「カッター」

何かを切るという作業も配管にはつきものです。養生材・ゴム板・コーキング・保温材・エーパッドなど、色々と考えられます。

また、切る以外にも削るということにも使えます。

 

例えば、塩ビ管の切り口のバリを取ったり、背中部分で塗装を剥がしたりといったケース。

現場ではかなりハードに使いますから、刃はより幅のあるものが良いでしょう。

 

タジマ ネジプロHアルミニスト シルバー 適合替刃H型 AC-H701S

H刃というのは、カッターの刃の中でも1番幅のあるものになります。

刃が大きいということは、当然本体も大きくなりますから、〇〇差しに収める際には注意が必要です。

 

このH刃、丈夫なので多少厚いものでも安定して切ることができるのが最大の利点。激しい作業中にいちいち刃が折れていたのでは仕事になりませんから、より丈夫な刃を選択すべきなのです。

「タジマ アルミニスト」はスッキリとしたデザインのアルミ製で、まさに軽くて丈夫という言葉がぴったりです。しかも替刃を2枚内蔵できる優れもの。

 

オートロック式とネジ式があるのですが、ネジ式の方がおすすめです。

なぜなら、オートロック式は刃の出し入れが簡単でも、強く押すとロックが外れてしまうことがあるから。ネジ式なら刃の出し入れは少し面倒でも、ネジを閉めれば刃がガッチリと固定されます

 

配管工の腰道具7 「バンドラチェット」

バンドラチェットは、まさに配管工のための道具と言えます。

なぜなら、これ自体が吊バンドを締めるのに特化して作られているから。具体的には以下のような点です。

 

  • 吊りバンドに多い10㎜と13㎜の両口
  • 回すとき管に干渉しにくいように口が長くなっている
  • 持ち手部分にタンバックル回しが付いている

 

これらの特徴は、メーカーによらず共通です。

 

トップ(TOP) 吊バンドレンチ PHW-1013-3

バンドレンチはいくつかのメーカーから出おり、機能はそこまで大きく違いません。

異なる個所としては、持ち手の部分にあるタンバックルを回す箇所の形状や、蝶ネジ回しの有無くらい。そんな中でも定番なのがTOPの吊りバンドレンチです。

 

タンバックル回しは六角部を掴むような形状になっていますから、ブレたり外れたりすることなく安定して回せます。

ラチェット部分の構造が単純なためか驚くほど壊れにくく、私の使用経験上でも壊れたという記憶はないほど。

 

価格は決して安くはないですが、長く使えることを考えるとかなりお買い得ですね。

 

今回のまとめノート

腰道具は毎日使うものですが、自分に最も合ったものを探すのは難しいし面倒なもの。

それでもこのページの内容や親方・先輩の意見を参考にすれば、より理想的なものを選べると断言します。

 

ぜひ納得のいく道具を選び、毎日「この道具すごい使いやすいなぁ」と思いながら配管ができるようにしましょう。

では、良い配管工ライフを!

 

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