両方経験した僕がサラリーマンと職人(配管工)を比較してみた

この記事を読んでいる職人(配管工)のみなさんは、サラリーマンというものを経験したことがありますか??

毎日スーツを着て始業時間までに決まった会社に行くそれです。

 

実はわたくし、配管工になる前に7年間サラリーマンをやっていました。業務内容は細かく言えませんが、テレビCMでもよく見るそれなりに大きな会社です。

建築関係ではなくIT関係で、仕事内容は基本的にデスクワークの仕事。

 

そして配管工になって今でも感じるのは、サラリーマンの世界と職人の世界とのギャップです。

今回はこの経験を活かすためにも、様々な角度から両者を比較してギャップをまとめてみたいと思います。

あくまでも私の場合の一例ですので、その辺りはご理解ください。

 

お金や労働時間

最初に気になるのは、やはりお金や労働時間の面についてではないでしょうか。

ここ最近、私の所属(給料をもらっている)しているところが、個人事業から株式会社になり、社会保険に加入しました。

 

ただ、まだまだ業界として加入率は低く、私も国民年金・国民健康保険の期間が長かったですから、その時と比較したいと思います。

[2020/09/06追記]

大手の現場は社会保険に加入していないと入れなくなってきましたね。加入率は増えているようですが、周りを見ても未だに1人でやっている親方やバイトのような人も少なくありません。

 

まずは思いつく項目の範囲で表にしてみました。

サラリーマン

配管工

給与体系

月給

日当×出勤日数

退職金

有り

無し

有給休暇

有り

無し

福利厚生

有り

無し

残業手当

条件付き

ほぼ無し

休日出勤手当

有り

無し

賞与

有り

ほぼ無し

昇給

有り

ほぼ無し

休日

土日祝・季節

日曜・季節

残業

無し~5時間

ほぼ無し

就業時間

固定

作業次第

通勤手段

電車

ほぼ車

夜勤

無し

有り

作業内容

デスクワーク

パワーワーク

 

表を見ると、好条件なのは明らかにサラリーマンのように感じます。

ですがそれは捉え方次第で、私としては毎日体を動かせることに喜びを感じますし、休みは減りましたが1日の中で自由に使える時間は増えたと感じています。

 

私が配管工になった当初、手取りの給料はサラリーマン時代より上がりました

社会保険ではなくなり土曜日や祝日も出勤し賞与もありませんから、この辺りは普通なのかもしれません。

 

ただ、まったくの未経験者が見習いとして雇われたら、最初の半年くらいは給料がとても安い可能性があります(交通費込みで日当¥11,000とか)。

この点私は恵まれていて、元々親戚からの誘いがあったため、未経験者としてはある程度高い額をもらうことができました。
※結局は現在までに1回・2千円(保険料と税引後は実質600円)の昇給のみですので、平均すると変わらないと思います。汗

 

ちなみに、私が知る限りですが日当の範囲は、¥10,000〜¥21,000です。これは実際にその金額をもらっている人がいるということ。

それ以外のことについては、まとめるのが難しかったので、次にメリット・デメリットを箇条書きにしてみました。

 

サラリーマンのメリット・デメリット

《メリット》

  • 土日祝を含め休みが確保されている
  • 有給休暇、退職金、福利厚生がしっかりしている
  • ローンが組みやすい(社会的な信頼性が高い)
  • 怪我や病気をしても仕事を続けられることがほとんど
  • 月給制でボーナスもあるので、生活に貧するようなことはまずない
  • 重大な損失を出したとしても個人が責任を取る(金銭的な)ことはない

 

《デメリット》

  • 残業は結構ある
  • 歯車の1つと化す可能性がある
  • 会社が倒産したら終わり
  • 副業禁止の場合が多い
  • 独立することが難しい(ほぼ無理)
  • 業績不振や不祥事により経営が悪化し、減給やリストラの可能性がある
  • 結局は何の身にもならない仕事をしている場合がある

 

配管工のメリット・デメリット

《メリット》

  • 残業は少なく終わり時間が早い(17:00くらい)
  • 現場によっては毎日14:00くらいに終わるようなケースもある
  • 手に職がつけられ、仕事を覚えればどこでも通用する
  • 日常生活にも役立てることができ、道具を含めいざという時にも役に立つ
  • パワーワークにより筋肉がつく、体がしっかりする
  • やろうと思えば独立できる
  • 仕事に出た分だけ日当を稼ぐことはできる

 

《デメリット》

  • 休みが少ない(土曜・祝日は当然仕事)
  • 朝が早い(5:30出とかしょっちゅう)
  • 大きな怪我や病気をしたら終わり
  • 能力ではなく時間でお金をもらっている
  • 独立しない限りは日当の限界が見えている
  • 仕事内容が過酷(いわゆる3K)なこともある
  • 重大な事故を起こした時に個人が責任を取る(金銭的に)こともある

配管工だけに依存せず経済的に独立して自由に生きる方法を考えてみた

2020年8月10日

人間関係について

何かの本で、人の悩みのほとんどは人間関係によるものだと読んだことがあります。確かにその通りだと思いました。

仕事をする上ではいろんな人と関わりますから、良いこともあれば悪いこともありますよね。

というわけで、ここではサラリーマンと職人それぞれで、どのような人間関係があるかをまとめてみます。

 

サラリーマン

上場企業にスーツを着て勤めている人は、当然のように大学(短大)を出ています。

だからとは言いませんが、ひどく常識を外れている人というのはいません

 

当然時間も守りますし、対面で話していても「この人アタマ大丈夫か?」みたいな人はまずいないです。

「社会人としての基本」はできていますし、未熟だったとしても1年も経てば言葉使いも含めて“立派な大人”です

 

ですが、どこにでもねちっこい先輩やイヤミを言う上司はいます

それを真に受けてしまうか、サラッと流すかは自分次第ですので、「あのクソ上司めー・・・!」で終わる場合もあれば、会社に行けなくなってしまうケースも。

 

また、後輩や同期~上司に至るまで、幅広い年齢の人とコミュニケーションをとる機会はあるものの、そのほとんどは自分と同年代の人です。

ただ、同期のメンバーで話す時はさすがに気兼ねしませんが、それ以外の場合にはそうはいきません。

 

上司との何気ない会話やメール・大勢を前にしてのプレゼン・お客様と電話でやり取りなど、常に社会人としてのマナーと緊張感が必要です

もちろん、身だしなみも整えておく必要がありますね。

 

配管工

職人の世界には、サラリーマンの人では考えられないような、壮絶な生き方をしてきた人がいると感じています。

深掘りはしませんが、例えば“裏の道”を歩いてきた人や、中卒で仕事を始めて10代のうちに独立した人など様々。

 

また、年齢層も幅広く手伝いも含めると、下は10代前半から上は70代後半までととんでもなく幅広いです。

どの年齢層の人とも作業で密接に関わり合います

 

そして非常に残念なことではありますが、“ヤバい”人がいるのも事実です。

「誰々がばっくれた!」「作業中の住戸で用を足していた」「朝来たメンバーの顔がボコボコ(ケンカ?)だった」「税金など全く支払ってなくて口座が差し押さえられた!」などなど、挙げればキリがありません。

 

ですが、話しをするとどこか温かみがあり、気さくで面白い人が多いです。

おそらくは、お互い作業着で役職・マナー・ビジネス用語なんて堅苦しいものは何も無く、良い意味で緊張感がないからだと思います。

個人的に、人情を感じるのは職人の方です。

将来性

ここでは私なりにサラリーマンと配管工の将来性について考えてみたいと思います。

結論から言いますと、どちらも将来性はあります

 

20181月現在、建設作業員が不足しているというニュースはよく耳にしますよね。

実際に都市部(東京)では、これから何十年というスパンでの大規模な開発が計画(既に着手しているものも多数)されているとのこと。

 

それ以外にも大規模修繕を行うビルやマンションなどが、今後も増えていくと思われます。

配管に特化した資格の取得や、現場で使う技能系資格の講習などをこまめに受け、より速く正確な配管をするために毎日しっかりと作業をしていれば、まず食いっぱぐれるということはないでしょう。

 

日当以上に稼ぎたければ、独立して従業員を雇い請負でバンバン仕事をすることもできます。

事実、私の周りでも、かなり稼いでいるであろう立場の人が少ないですが存在します。

 

では、サラリーマンの場合はどうかというと、独立起業というのは難しくても、色んな方向性が考えられます。

歩合制の営業職で高収入を目指したり、志を同じくする仲間とベンチャーを立ち上げたりと、あらゆる可能性が考えられますよね。

 

月並みな言い方にはなってしまいますが、やはりどちらもやる気次第ということ。

参考:職人(配管工)の仕事って不安定!?現場を切らさないための3大鉄則

[2020/09/06追記]

2020年はコロナウイルスの影響で世界経済が大ダメージを受けています。これまでの常識が覆され、現段階では不透明な部分も多いですから、今後は劇的に状況が変化するかもしれませんね。

今回のまとめノート

いかがでしたでしょうか。サラリーマンと配管工、両方をまとまった年数経験していることは貴重だと感じています。

あくまでも独自の視点が多かったかとは思いますが、それぞれの良し悪しが浮き彫りになったのではないでしょうか。

 

いずれにしても、仕事というのはやる人の人間性が滲み出てくるものです。

そして人生で何を重要視するかも人それぞれです。つまりは価値観というやつ。

 

その価値観も“外の世界”を知ることで変わってくるかもしれません。

もしこの記事を読んだ方がサラリーマンの世界を知らない(またはその逆)のなら、この内容が少しでも良い刺激になり、何か新たな行動をしたりより今の仕事を頑張ろうと思ってくれたりすれば、大変ありがたいと思います。

では、良い配管工ライフを!

参考:配管工だけに依存せず経済的に独立して自由に生きる方法を考えてみた

Twitterでもコアな情報発信しています。フォローしてもらえると泣いて喜びます!

 

2 件のコメント

  • こんばんは!参考になる記事今年もよろしくお願いします!
    マリオさんの過去と今が知れて面白かったです。
    またまた質問なのですが天井配管で平面図をスラブに写してのやり方でこの前にやってみたのですが、配管のスピードは格段に上がったのですがアンカーの位置を出して天井に墨して打って~~まではよかったのですがどうも排水で先に支持金物を勾配つけて吊ったつもりなのですがあまり先に吊った物が使えませんでした(><)この場合の吊り方を記事にしてくれませんか泣
    ショートアンカーの飲み込みはいくつみてとかもう細かいところからご教授願いたいです。。あとドングリさんが先に吊り物をした場合ほぼほぼ使えますか?
    あと耐火二層パイプで配管をしているときは皮の上で勾配を見てます?いつも質問だらけですいません・・・

    • マリオさん、コメントをありがとうございます。
      今年もよろしくお願いいたします!

      天井配管ですね。確かにマリオさんのおっしゃる点はポイントでもあり、難しいところでもあると思います。この辺りはまとめて記事にしますね!
      少しお時間いただけるとありがたいです。

      よろしくお願いします。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です