ボイド管によるスリーブ入れの手順 スラブ

この記事では?
ボイド管によるスリーブ入れの施工手順と、必要な工具類がわかります。

 

スリーブと言えば、スラブ・梁・壁などの躯体を配管が貫通するための穴です。

どんな現場でも少なくとも1つや2つは出てくるかと思いますが、自分で入れたことがないという方もいるのではないでしょうか。

 

私もこれまでの経験で数回しか入れたことはなく、それ以外は建築さんだったり、スリーブやインサート入れ専任の職人さんが入れていました。

一口にスリーブと言ってもたくさん種類がありますが、今回はボイド管によるスラブへのスリーブ入れについて手順やポイントを簡単にまとめることにします。

 

ボイド管入れの簡単な施工手順

まずボイド管を使ってスリーブを入れる際に必要な材料と道具を確認しておきます。

材料はボイド管以外に、ボイドキャッチャー(下写真)・釘・ガムテープ、好みによってビスです。

ボイドキャッチャー

※出典:丸井産業

 

道具としては、玄翁(ハンマー)・ドライバー・場合によっては鉄筋棒か全ネジです。

次に手順は以下。

  1. ボイド管をスラブ厚マイナス5㎜程度に切る。(左官仕上げのために少し凹まします)正確なスラブ厚が分からなければ長めにしておきます。
  2. ボイド管にボイドキャッチャーを3箇所均等に取り付ける。3箇所は個人的な感覚なので安定しなければもっと取り付けても問題はありません。ボイドキャッチャーの写真を見てイメージできるかと思いますが、ただ挟み込めばOKです。この時に短いビスを打って固定しても良いですね。
  3. 狙った位置に釘を打ち込んで固定する。この時に周りが配筋されているとうまく打ち込めないので、鉄筋棒や全ネジを使うと便利です。ちなみに、釘を打ち込むための専用の工具がありますが、何十個も入れない限りはそこまで揃える必要はないかと思います。
  4. 管口をガムテープでしっかりと養生する。養生テープではなく、より強力なガムテープの方が良いです。更に口径が大きい場合には幅広のものを使用すると楽です。

押さえておきたいポイント

ここからは最低限押さえておきたいポイントをまとめます。

 

位置だけは間違えるべからず

もし墨出しが別の手なら仕方ないですが、自分でやるという場合には、絶対に位置だけは間違えたくないです。

位置が違っていてそこに配管を通せない(PSからはみ出してしまうなど)場合は斫りやコア抜きとなってしまい、鉄筋も基本的には切断できないので、かなりの手間がかかってしまいます。

 

管口養生はしっかり

ボイド管口の養生はしっかりやっておけば、生コンが入ってしまうのを防げます。ちょっと触ったら剥がれてしまうような養生は避けましょう。

 

鉄筋屋さんとは仲良く

タイトな工程の現場では、配筋と同じタイミングでスリーブを入れることもあります。

スリーブの箇所は鉄筋を避けてもらったり補強筋を入れたりしなければなりませんし、取り付けたボイド管を蹴飛ばされでもしたら嫌ですから、鉄筋屋さんとは仲良くしといた方が得策です。(鉄筋屋さんに限らず現場ではみんなと仲良くしましょう。笑)



ボイド抜きには「ボイドカントリー」

ボイド管によるスリーブは入れたら終わりではなく、コンクリートが打ちあがった後にボイドを取り除く必要があります

これが結構面倒な作業で、専用の工具があったほうが断然楽ですし効率的です

 

現場ではボイドカントリーとかボイド管ラチェット、ボイド抜きなどと呼ばれており、コンクリートとボイド管の間に差し込んでぐるっと回せば取れる仕組みになっています。

 

数が多いと結構な仕事量になりますし、スリーブ入れはやらなくてもスリーブ抜きはやらなければならないことが多いですから、現場に1つあると重宝します。

穴に対してまっすぐ打ち込まないと、折れてしまって泣くことになりますから、その点だけは注意しましょう。

今回のまとめノート

今回はボイド管によるスラブへのスリーブ入れについて簡単にまとめました。

ポイントをおさらいしておくと、以下の3点です。

  1. 位置だけは絶対に間違えない
  2. 管口養生はしっかりしておく
  3. 鉄筋屋さんとは仲良く

 

そしてボイド抜きの際にはカントリーを使ってサクサクやりましょう。

もし現場でスリーブ入れの機会があった際には参考にして頂けるとありがたいです。

では、良い配管工ライフを!

 

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