タイムリーな話題で、某建設会社施工のマンションが傾いており、調査の結果、基礎の杭が規定の長さに達しておらず、更にはデータを改ざんしていた事が発覚しました。今後責任の所在が明らかになり、施工会社は多額の賠償を被る事にると思われますが、それよりも大変なのは住民の方々でしょう。例え全棟建替えが決定し、仮住まいや引越しなどの費用までが全て補償されたとしても、かなりの時間を要する上に生活環境が変わる事での手間やストレス、施工会社に対する不信感を抱いたまま建て替わったマンションに住めるかなど、懸念事項が山積みです。
今回の事件を受けて思う事
と言うわけで、私も建築に関わる仕事をしている身として、今回の事件を受けて思う事があります。それは、「手抜きは必ずバレる!」という事です。意図的に手を抜いたわけではなくても、ずさんな工事をした場合も同じ事です。
普通なら、あえて手抜きをしようという悪人はそういないはずですが、利益第一主義のワンマン社長に命令されたとか、工期が大幅に遅れる恐れや上司の圧力から逃げたいがために、スピードだけを重視した突貫工事やデータの改ざんなどがしばしば行われてしまうのが現実のようです。
これまでに経験した尻ぬぐい
私自身は、配管に対してスピードも求めますが、それ以上に質を重視していますから、手抜きなど言語道断だと思っています。だだし、これまでに数々の直し工事(他業者の施工)を行った事があります。それも施工後数ヶ月から1・2年の範囲内です。そのほとんどは「○○○し忘れ」によるものでした。
例えば、接着し忘れ・融着し忘れ・ボルト締め忘れなどです。原因が明確になるだけ幸いなのかもしれませんが、その施工をした業者に対する信頼はなくなってしまいます。キツい工程や人員不足などをどうにかやりくりして必死に仕上げた背景があったとしても、施主からしてみれば“手抜き工事をされた”と思うでしょう。
最終的に大事なのは何か
意図的に手を抜いてしまうのは論外として、ではどんな事を意識して仕事をすれば良いのでしょうか。
それは「仕事に対するポリシーを持つ」事だと思います。絶対に漏水させないでも良いですし、自分の家だと思って施工するでも良いと思います。
そして最も重要なのは、どう頑張っても普通に施工していたのでは不可能な工期や明らかな人員不足に対しては、出来ないとハッキリ断る事です。特にすごく焦っている時や大きなプレッシャーがかかっている時には注意が必要です。そういう時には決まって“魔が差す”ものですからね。
手抜きは必ずバレる!という事をよーく肝に銘じておくべきでしょう。(と、自分にも言い聞かせる今日この頃です)
コメントを残す