「バンド吊り」と聞くと吊りバンドを淡々と吊っていく地味な作業のように思えますが、実はかなり奥が深いです。排水の場合は勾配を考えなければなりませんから、それなりに難しいのは直感的に分かりますが、今回はバンドそのものにひと工夫加える事によって、配管をしやすくする方法をご紹介します。
ナットを緩めておく
通常ですと吊りタンとバンドはボルトナットで締められています。

このナット部分が、ものによっては指で回せないほど硬いことがあります。これを緩めといてあげるだけで配管時にものすごく楽です。(1つ1つバンドラチェットなどで緩めながらの配管はとても煩わしいです)ただし、緩めすぎるとちょっとした振動でナットが落ちてしまうことがありますから程々にしましょう。
開くか閉じるか
配管の種類によっては、管を閉じた吊りバンドに離れた場所から直接通すことが出来ます。(VPやDVLP)この場合は当然吊りバンドを閉じておいた方が良いです。逆に耐火二層管などは管表面の滑りが悪く閉じた吊りバンドに通すのは困難ですから開いておいた方が良いのです。

SUS用デップの場合

ステンレス鋼管の吊りバンドはデップを使用する事が多いかと思いますが、デップに関しては独特のポイントがあります。デップのバンドはつがい目があって開くわけではなく、一枚の金属が丸く加工されています。(上写真)
そこで管1本分程度ぐいっと広げて吊ってあげることで、配管時にはその広がりから管を入れてあげることで1人でも楽に長物を吊ることが出来ます。(下写真)デップは割と弾力があり滑りにくいですから、よほど1つのバンドに重さをかけない限りは落ちてしまう事もありません。

何か書くなら内側下部
吊り方のポイントとはちょっと違いますが、番号や全ねじ寸法など何かを書くならバンドの内側にしましょう。それは配管してしまえば絶対に隠れるからです。(露出配管でも問題ありません)そして下部なのは個人的に見やすいと思ったからです。
以上、ちょっとした事ですが、ただ吊るだけでなく後の配管の事をちょっと考えて工夫するだけで、作業効率がアップしますからぜひ意識してみてください。また、吊バンドの色々な吊り方を以下の記事にまとめてありますので、こちらの記事も合わせて確認することをお勧めします。
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