吊りバンドを先行で吊る時に押さえておきたいポイント5選 後から超面倒なことにならないために

天井配管(排水)のために先行で吊ったバンドが、後から全て直しになってしまったという経験はありませんか?

何人かで天井配管をやる場合、1人が吊りバンドを先に吊っていくという方法はとても有効です。ただ、この役割は超重要なので、しっかりと要領を得た人がやらないと、後から直しになって逆に時間がかかってしまうことにもなりかねません

なぜなら、排水の勾配は決まっているため、一箇所修正になっただけで同系統の吊りバンドはすべて影響を受けるからです。

そうならないためにも今回は、排水の吊りバンドを先行で吊っていくうえで、気をつけなければならないポイントをご紹介します。

1.配管径は間違っていないか

まず最初にやっておくべきことは、配管径の確認です。当然のことながら、配管の芯は一緒でも径によって全ネジの長さは違います。つまり、径を間違えて吊ってしまった全ネジは一発アウトです。

また、管径と似た話しで、管種を間違えることもあり得ます。分かりやすい例ですと、耐火二層管と鉄管や塩ビ管ですね。

大規模な新築工事では管種も管径も多種多様ですから、くれぐれも間違えないよう注意しましょう。

2.アンカーやインサートの飲み込みは把握しているか

新築工事では天井配管のためにインサートが入っています。

出典:NICHIEI INTEC

ただし、インサートは配管の通りとズレていたり、継手の近くになかったりと使えないケースも多いです。

その場合アンカー(雌ねじ・雄ねじ)を打って全ネジを垂らすことになります。

ここで注意点です。天井面を基準とした場合、インサートの種類やアンカーの種類によって飲み込みが違ってくるため、合わせて全ネジの長さを調整する必要があるのです。

3.天井や床に勾配が付いていないか

建物によっては、勾配天井になっていたり、床に勾配が付いていたりします。

そうでなくても、天井面・床面が均一になっておらずガチャガチャだとか、段差がたくさんあるなどの場合には、基準にしない方がいいでしょう。

勾配天井に気が付かずに、天井を基準にして吊っていったらどうなるかは、容易に想像ができます。

そこで頼りになるのがレーザーです。レーザーは必ず水平なラインを出してくれますから、それを基準にしてバンドを吊っていくのです。

以下の記事内にある「4.天井や床が水平でないケース」を確認してみてください。

レーザーをうまく使って天井配管をスピードアップ!

どうしてもレーザーが準備できなければ、細もののパイプや木(まっすぐなもの)を利用して実寸を測っていく方法もあります。吊ったバンドに片方の端を掛け、その上に水平器を置いて勾配を見ながら寸法を測るのです。

ただしこの方法は結構器用さが求められるのと、吊り間隔が1mより広くなるとどんどんやりにくくなっていくという欠点があります。できる限りレーザの使用をお勧めします

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4.複数のスリーブや障害物が考慮できているか

天井配管が複数のスリーブや障害物の間を抜けていく場合は要注意です。なぜなら、排水は流れ方向に向かって下がっていくことしかできないからです。以下の図を見てください。

しも側の梁スリーブが高かったら、どう頑張っても配管できないのが分かります。

これはスリーブに限らず、何かの設備機械やダウンスラブなどでも同じことです。したがって、吊りバンドを吊り始める前に、まずは配管ルート上のスリーブや障害物を確認した方が無難です。

もし矛盾があれば、最初に気付ければしめたものです。バンドを吊っている時に気付けばまだいいですが、配管を進めている時に気付くのは最悪ですね。

5.上を通る配管やダクトの邪魔にならないか

大きな角ダクトや電線用のラックなどは、配管の上を通ることも多いです。

その場合、配管を先にやることはできなくても、全ネジだけは先に下げさせてもらうことがあります(正確にはアンカーが打ってあれば良い)。

この時に、上を通るダクトやラックの邪魔になる位置に下げてしまっては元も子もありません。必ず上にあるものをかわした位置に下げるように意識しておきましょう。

6.余談:正確な勾配を見るために

ここでの内容はバンド吊りとは直接関係しませんが、配管時に意識しておいた方がいいポイントです。

それは、配管の勾配を正確にみるための注意点です。配管や継手の中には、表面が平らでないものがあります。例えば以下です。

  • 耐火二層管(特に遮音)
  • IRSP黒いVP!?
  • MD継手
  • 耐火二層管の継手
  • しなってしまった塩ビ管

柔らかいものや凹凸のあるものが被っていたり、コーティングされていたりすると正確に見れないのです。

配管しながら勾配がおかしいと思ったときは、まず正確に測れる場所に水平器を置いているかを確認しましょう。

例えば耐火二層管なら飲み込みの塩ビ部分などですね。

今回のまとめノート

天井配管では、吊りバンドを先に吊っておくことができれば、後の配管がとても楽ですし効率的です。複数人いるときは、役割分担できて道具もかぶりません。

しかしながら、“吊り役”になった人は気を付けたい点がいくつかあります。以下の5つです。

  1. 配管径は間違っていないか
  2. アンカーやインサートの飲み込みは把握しているか
  3. 天井や床に勾配が付いていないか
  4. 複数のスリーブや障害物が考慮できているか
  5. 上を通る配管やダクトの邪魔にならないか

これらの点を意識しておけば、後々全てのバンドを吊り直すような最悪の事態は避けられます。

全てを完璧に押さえることは難しいかもしれませんが、少しずつでも今後の配管に取り入れていただければありがたいです。

では、良い配管工ライフを!

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4 件のコメント

  • 早速記事の方ありがとうございます!参考になります!
    便所の天井配管の場合だとして吊りバンドで吊り段取りするときメインから枝まで吊っていますか?枝まで吊るとしたら何かコツみたいなのありますかね(><)

    • マリオさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます!

      正直、枝については悩ましいところですね。でかい系統になると1つの枝が大きなかたまりのこともありますし、何種類ものバンドを持ち歩くのは厳しいこともあります。

      しかも実際には色んな材料が置いてあったりボード待ちだったりと、簡単にはいきませんし・・・

      私の場合の結論としては、こじんまりした共用便所くらいなら全てまとめて吊ってしまい、便器が何十台も付くような規模ならまずはメインだけを吊っていきます。

      枝は細ものだと勾配が1/50の時がありますので、その点だけは注意しています。

      よろしくお願いします!

  • こんにちは。新築物件を買ったのですが、浴室の換気ダクトが逆勾配になっています。業者さんもよくわからないみたいで、うまく説明できません。毎日どうしたら良いか悩んでいます。電話で相談したいのですが。

    • さくらさん、コメントをありがとうございます!
      申し訳ありません、コメント欄での返信のみさせていただきます。

      ご質問の内容ですが、浴室の天井裏を見たところ、「換気扇のダクトが外部から換気扇に向かって下り勾配になっていた」ということかと思います。

      排気のダクトは、雨や結露した水が内部に流れてこないよう、原則として外部に向けて下り勾配とします。
      外部はガラリがあるので雨が入ることは稀ですが、結露した水は結構な量になることがありますから、明らかな逆勾配となると直した方が得策です。

      見当違いでしたら申し訳ありません。
      よろしくお願いします。

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